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2020/12/27

genre : ニュース, 社会

 一連の事件のうち、特に2019年11月に尼崎市内で発生した神戸山口組の古川恵一が、元山口組系幹部に米軍用自動小銃で射殺された事件では数十発の銃弾が発射されており、警察当局の幹部にも衝撃を持って受け止められた。特定抗争指定暴力団とされたことは、山口組の新年行事にも少なからぬ影響を与えた。

 現在、特定抗争指定暴力団としての警戒区域は10府県18市町に拡大。規制の期限は3カ月だが、現在に至るまで延長され続けている。警戒区域で、5人以上で集合しただけで逮捕されるだけでなく、事務所の新設や立ち入り、対立組織の組員へのつきまといなども禁じられている。

関係者に流出した写真には、尼崎の事件現場に残された自動小銃とみられる凶器が写っていた

これまでと全く異質だった1年間

 山口組分裂後、山口組と神戸山口組にとって特定抗争指定暴力団に指定されたことで、今年はそれまでの約4年半とは全く異質な活動を強いられた1年間だった。

 しかし、こうした状況下でも、山口組側は攻勢を強めた。

 今年5月には岡山市で神戸山口組系池田組(当時)幹部が、8月には山口県岩国市で神戸山口組系木村会(同)幹部が撃たれ、いずれも重傷を負った。11月にも同様に神戸山口組系幹部銃撃事件が発生している。

 幹部を直接狙った銃撃事件だけでなく、11月から12月にかけては双方が事務所への発砲事件を起こすなど、今年1月以降に発生した対立抗争とみられる事件は全国で10近くに上る。神戸山口組側も対抗する姿勢を維持している。しかし、実態としては圧倒的に山口組側が引き起こした事件が多い。

発砲事件があった神戸山口組系の組事務所近くで警備する警察官ら(12月3日、岡山県倉敷市) ©共同通信社

 組織犯罪の捜査を担当する警察当局の幹部は、「山口組側が圧力をかけ続けて追い詰めるつもりだろう。優勢なのは間違いない」と指摘する。