選択的夫婦別姓問題について、アベマTVの番組「ABEMA Prime」で二度にわたって自民党女性議員と意見交換した。最初は11月24日の片山さつきさん、二度めは12月15日の高市早苗さん。お二人と議論し終えて浮かんできたのは、「実は皆さん、本当は夫婦別姓に賛成なんじゃないの?」というなんともモヤモヤした感情である。
そもそもなぜ夫婦同姓じゃなければならないのか?
片山さんも高市さんも選択的夫婦別姓には反対で、仕事や生活の不便については旧姓の通称使用でじゅうぶんに対応できるという主張である。
くわしい議論の内容は「ABEMA TIMES」の記事にまとめられている。片山さんは戸籍というシステムをタテにして、「戸籍制度に影響がある」と主張した。そしてさかんに法律の話を繰り返した。
※「選択的夫婦別姓」導入の先に、同姓を選択した夫婦が“古い価値観”と批判されてしまう未来も?(「ABEMA TIMES」11/25付)
高市さんは最初から「旧姓を通称として使用すればなんの問題もない」と、マイナンバーカードでもパスポートでも運転免許証でも、併記が可能になっているということを強く話し続けた。私が「そもそもなぜ夫婦同姓じゃなければならないと考えているのですか?」と問うと、片山さんと同じように結局は法体系の話へと持っていった。
※18年前に消えた「通称使用法案」を再提出…“慎重派”高市早苗氏に聞く「選択的夫婦別姓」(「ABEMA TIMES」12/16付)
「現在の法体系では、戸籍上の家族は婚姻をした夫婦と未婚の子どもであり、その子どもが結婚した場合、また新たな戸籍を作って新たにスタートされる、その戸籍上で統一した名前が氏だ。これらの法体系の整理も非常に大事になってくると思う」
私は「家族の絆が大事」というような発言を期待していたのだが、「絆」という言葉は高市さんの口からはほとんど発せられなかった。高市さんもメンバーになっている自民党の「『絆』を紡ぐ会」が番組の直前、「家族の絆に深くかかわる」と夫婦別姓反対を提言していたことを考えれば、これはずいぶんと不思議なことではないか。