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70代の「別姓賛成派」はわずか28.1%

 高市さんが引いた2017年の内閣府世論調査を見ると、選択的夫婦別姓に反対する人は全体で29.3%。高市さんと同じ「別姓反対・通称使用派」は24.4%。別姓賛成派は42.5%。まだ賛成派のほうが少ない。ところが年齢別に見ると、18〜20代の別姓賛成派は50.2%、30代では52.5%と過半数になり、40代でも49.9%と拮抗している。これに対して70代では、反対派が驚くなかれ52.3%もいて、別姓反対・通称使用派は13.3%。合わせると反対派は65.6%にのぼり、別姓賛成派はわずか28.1%しかいない。(「内閣府・家族の法制に関する世論調査」より)。

 シルバー民主主義という嫌な言葉もあるが、高齢化する日本社会で支持を固めようと思うと、数が多くて投票率も高い高齢者が喜ぶようなことをするしかない。だから自民党はいまだこういう現代にはもはや適合しない大時代的な政策をとり続けている。リベラルな考えを持つ議員が増えているのにもかかわらず、自民党が核の部分でこういうところを譲ろうとしないのはそこにある。

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現役世代の「別姓賛成派」は71%

 とはいえ、世代は交代していく。番組にも出演していただいた井田菜穂さんの「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」が早稲田大学と共同でおこなったネット調査では、別姓賛成派は71%にものぼっている。これは調査の対象としたのが20代から50代の現役世代だったからである。

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結婚前の姓を名乗れる選択的夫婦別姓 7割が「賛成」(「NHK NEWS WEB」11/18付) 

 世論は、世代交代とともにじわじわと変わっていくということだ。自民党政権の夫婦別姓へのとりくみは先送りにされてしまったが、この先もずっとそうであるということはありえない。世論が変われば自民党も変わる。いや、高市さんは実のところそれを待っているようにも私は感じた。彼女は何しろ、「例えば最高裁がそうした点を定めた戸籍法や民法について違憲の判断を示せば、有無を言わさず変えなくてはいけない」と番組で断言しているのである。

 つまり、高齢者票を考慮すれば、いまの段階で自民党が積極的に選択的夫婦別姓を制度化することはむずかしい。しかし裁判所が判断してくれるのなら、それにすかさず付き合いたいというのが実のところの本音なのではないだろうか。