国際将棋フォーラム2024が、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で11月7~9日に開催された。メインイベントとして行われた第9回国際将棋トーナメントには45カ国から51名の代表者が参加し、決勝は中国・北京代表の許諾(キョ・ダク)さんがアメリカ代表のマイケル・ワンさんを破って優勝を飾った。
様々な国の人たちが盤を挟んで向き合う姿は、普段は目にできない光景であり、将棋の国際化を感じさせる祭典だった。
上海の小学校では日本将棋の授業が行われている
「将棋を始めたのは20歳からですが、今は一番好きなボードゲームになりました。変化がたくさんあるのが面白いですね。普段は『将棋ウォーズ』『81Dojo』『将棋倶楽部24』の3つをやっています。今回優勝することができ、記念対局で藤井聡太さんと指すことができて嬉しかった。彼は将棋の神様みたいな存在です。中国では将棋が広まる上で、まだまだ伸び代があると思う。自分も貢献していきたい」(中国・北京代表 許諾さん)
日本の将棋は、世界でどれだけの人々に指されているのか。
チェスや囲碁に比べて、将棋は国際的な競技人口が少ない。そうした中でも、現在もっとも広まりを見せているのは中国だ。特に上海は盛んで、推定100万人が将棋のルールを知っているという。
NPO法人「将棋を世界に広める会」の山田彰理事長は、その理由としてある人物の功績が大きいと話す。
「許健東(キョ・ケントウ)さんという方が、上海の小学校に将棋を正規の授業のカリキュラムの一つとして取り入れさせました。授業を受けた子たちの内、どのくらいが続けているかわかりませんが、現在も数十万人の単位で指していると考えられます。子どもたちのレベルは非常に高いものがあり、今回もその教え子が参加していました」
オンライン対局の広がりが大きな影響を与えた
「将棋を世界に広める会」は1995年に任意団体として発足し、2000年にNPO法人になった。国際将棋フォーラムには組織的に協力していて、通訳や会場設営にボランティアを派遣している。山田さんは東京大学在学中に将棋部で活躍、その後は外交官として40年以上にわたって多くの国々に赴任、中南米局長などの役職を歴任した。
近年はオンライン対局の広まりにより、会員が知らない地域からも突然将棋を始める人たちが出てきているという。