国際将棋フォーラム2024が、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で11月7~9日に開催された。メインイベントとして行われた第9回国際将棋トーナメントには45カ国から51名の代表者が参加し、決勝は中国・北京代表の許諾(キョ・ダク)さんがアメリカ代表のマイケル・ワンさんを破って優勝を飾った。

国際トーナメントの後に自由対局を楽しむ参加者たち

私はこうして将棋と出会った

 海外の人たちはどのように将棋と出会い、楽しんでいるのだろうか。今回参加した方々の声を紹介しよう。

「ウガンダでは将棋は新しくて、まだ珍しいゲームです。数人の小さなグループですが、将棋を指す仲間がいます。私はチェスをやっていましたが、将棋の方が戦略的で面白いと感じました。2017年に仕事で日本に来て、そのときに将棋と出会ったのですが、一緒に指せる相手が見つからなかった。ウガンダに帰ってから、日本大使館の方と知り合って、詳しく教えてもらうことができました」(ウガンダ ロバート・バカゼさん)

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ウガンダ代表 ロバート・ハバガゼさん

「私が13歳の頃に、東京外国語大学の教授がサマルカンド(ウズベキスタン第二の都市)の大学に来た際に、私の家にご家族で2週間ほど滞在されました。そのときにお土産にいろんなボードゲームをもらって、将棋を初めて見ました。

 チェスは家にあってよくやっていたのですが、将棋はもっと複雑で、戦略的に守りながら攻めるところが面白いと感じました。ロジカルも必要ですしね。今回は初めてウズベキスタン代表としてきました。予選は通過しましたけど、本戦の1回戦で負けました。こうしていろんな国の人とさせるのは楽しいです」(ウズベキスタン バノロフ・ノディールジョンさん)

ウズベキスタン代表 バノロフ・ノディールジョンさん

「将棋を覚えたのは5年ほど前で、現在は留学で東京大学の大学院に来ています。専門はコンピュータ科学です。チェスは子供のときにやっていて、一度ミスをすると負けという感じですが、将棋は駒がなくならないからチャンスがある感じですね。

 インドで将棋を指す人はあまりいません。オンラインでプレイすると、時々インドの人を見かけるくらいです。チェスは2000年に世界大会でインドの人が初めて優勝して、それがとても話題になり、今も盛んに行われています」(インド ヴァリャッパ・チョッカリンガムさん)

インド代表 ヴァリヤッパ・チョッカリンガムさん

「14年前から将棋を指していて、今は『81Dojo』で三段です。ペルー囲碁将棋協会には、将棋をやる人が30人くらいいます。日系人の高齢者の方が強いです。普段はネットで指しているので、対面で指すのはやはり楽しいですね」(ペルー ダンテ・アクーニャさん)

ペルー代表 ダンテ・アクーニャさん

出会いは漫画の『NARUTO』から

「日本文化に興味があり、将棋は漫画の『NARUTO』を読んで知りました。私は兄弟が4人いて、彼らや周りの人たちと指してきました。今はアマ五段です。棋士のことをとても尊敬しているので、彼らがフランスに来てくれるととても嬉しいです。パンデミックの前には年に一度いらしてくれて、大成功を収めていました」(フランス ジャン・フォルタンさん)