内山あや女流初段の両親はともに将棋を指す。インタビュー後半では、それぞれ将棋を楽しみながら応援してくれた両親のことや、勝負に執着がなく負けても変わらずに将棋の勉強ができる心の持ちよう、藤井聡太八冠の指導対局を受けたエピソード、高く評価されているトーク力のことを聞いてみた。

内山あや女流初段

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一緒に将棋を指して応援してくれた両親

――ご両親も将棋を指される方ですが、将棋を始めたのはご両親の影響ですか?

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内山 私が将棋に興味を持ったのは、小3になる頃の2013年春に父が第2回電王戦をネット観戦していたからです。父は将棋は少し指したことがある程度だったのですが、その少し前に故・米長邦雄将棋連盟会長の記事を新聞で読み、その功績として電王戦が紹介されていたので見ることにしたそうです。興味を持った私が図書館の本で将棋のルールを覚えたので、父が通える将棋教室を調べてくれました。小3の夏休みが終わってから日本将棋連盟の子ども将棋スクールに入会しました。

 父も母も私が将棋を始めたから、自分もやってみようという感じになり、母とは一緒にねこまどの指導対局会や単発講座に行ったり、女性大会に出たりしました。元奨励会三段の将棋講師、知花賢さんの教室には父と千葉まで通い、一緒に指導対局を受けていました。

――今もご両親は将棋を続けているのでしょうか。ご家庭内で将棋の話がよく出ますか?

内山 私がプロになって一緒に大会に行くことはなくなり、それぞれ観たり指したり将棋を楽しむという感じでしょうか。母はサントリー(SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦)を観に行っていました。大会にも出ていて、ご飯のときに話をしてくれることもあります。「両取りをくらってね」とか、うまくいかなかった対局の話も出るので「よくある」「あるある」と聞いています。ごくたまに「こんな局面があったのだけど、どう指せば良かったか」と盤面を見せて質問してくることもあります。