――最近出演されたNHK『将棋フォーカス』や昨年ABEMAに若手女流棋士数人で出演してMCをされたときに、内山先生のトーク力の高さが話題になりました。これからそんな機会も増えてくるのではないでしょうか。
内山 聞き手などのお仕事への意欲はあるのですが、大学もあってあまり機会がありません。春休みなどにABEMAとかのお仕事もできたらいいなと思っています。大学卒業後のビジョンはまだはっきりしていないけれど、女流棋士に専念し将棋ファンの皆さんの前でお話ししたり交流するお仕事も増やせれば嬉しいです。
「毎年、少しずつでも対局数や成績を上げていければいいなと」
――若手女流棋士の成績優秀者として新人王戦の4人の女流枠に選ばれ、岡部怜央四段との対戦が決まりました。（男性の）棋戦に出るのは初めてですよね。
内山 はい。まったく考えていなかったので、わあ、女流名人リーグでプレーオフまで行くと、こんなことにもなるんだ！ と思いました。3時間の対局は初めてで楽しみです。長い時間考えるのは好きなので。
――最後に来年度（2024年4月～）の目標と、今後の目標を教えて下さい。
内山 今年度はすごく対局数が増えたので、それが減らないように。いや、今年度は出来すぎだったので減るかもしれないけど、ガクッと落ちないようにしたいのがまずあります。毎年、少しずつでも対局数や成績を上げていければいいなと。
――極めて現実的ですね。女流名人リーグは残留しているわけですし、勝率も高い（2023年度は2月15日時点で0.649）。ここでタイトル挑戦と言ってもいいところですが、今日お話を聞いて、大きな目標を掲げるタイプではないし、タイトルという地位への欲というか偉くなりたい気持ちがなさそうなことも分かりました。
内山 偉くなりたくはないです（笑）。強くなりたい気持ちはあるので、その先にタイトルがあればいいなと。
――地位にこだわりはなくて、もしタイトル戦に出られたら番勝負でたくさん指せるのが嬉しくなる？
内山 そんな感じです。ふふふ。
写真＝深野未季／文藝春秋
