「まいにち、修造!」、ストックはまだまだある
ーー松岡さんの日めくりカレンダー「まいにち、修造!」についてもお聞かせください。《ミトコンドリアは君のやる気を待っている》《僕は君の修クリーム》《後ろを見るな!前も見るな!今を見ろ!》と至言と名言の宝庫ですが、座右の銘まではいかずとも気に入っている言葉はありますか?
松岡 日めくりカレンダーにも載せているのですが、いまだったら《君にもできる!金メダルスマイル》。金メダル級のスマイルは、誰にでも作ることができるんです。オリンピックに向けて作ったメッセージですが、これはコロナ禍のいまこそ活きるはず。
普通に話をしているときでも顔を笑顔にすることで変わるんですよ。口角を上げる、つまり顔のベースを笑顔にする。そうすると相手のほうもすごく話しやすくなって、ポジティブな雰囲気が生まれる。僕は誰かと会う時に、口角を上げることを強く意識しています。
ーーそういえば、今年のカレンダーの発売アナウンスがないままですが……。
松岡 メッセージはムチャクチャためてあります。出版するかどうかについては版元のPHP研究所さんのご判断になりますね。ありがたいことに、今までずっと一緒にやってきた担当の方が、この日めくりをすごく大事に思ってくださっていて。
2014年に最初の日めくりを出した後、翌年第2弾を出したいと言ったら「第1弾以上のものは絶対に出せないからやめましょう」と断られたくらいです。だから、当時渾身の力を振り絞ってメッセージを作って担当の方にOKをもらいました。
でも、実は、このお話をいただいた当初、僕自身は日めくりカレンダーに対してネガティブな気持ちを抱いていたんです。笑顔で拳を突き出している僕が表紙で、タイトルが「まいにち、修造!」って果たしてどうなんだろうと。こんなに恥ずかしいカレンダーをレジまで持っていける人なんていないだろうと思っていました。
そうしたらとてつもなくヒットした。凄まじい振り幅でネガティブからポジティブに変わったんです。そして、ネガティブに見えるものにもポジティブが隠されていると気付きました。あのカレンダーを通して、ネガティブなものには可能性がすごく秘められているんだと教えてもらいましたね。
ーーメッセージは書き溜めていらっしゃるのですね。エクセルかなにかを使って整理しているのですか?
松岡 浮かんだら、いつもワードに書き残しています。タブレット、スマホ、デスクトップ、どこからでも書けるようにクラウドストレージに保存しています。ストックはありますが、それを形にしてくれるかどうかはPHPさんの判断になりますね。
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写真=鈴木七絵/文藝春秋