文春オンライン

2021/01/01

未来へ……

 いのちとともに生きるということは、彼らがその更新を終える瞬間に立ち会うことも約束しなくてはならない。桂浜水族館でもカリフォルニアアシカの「リサ」が天国へと旅立ってからまだ間もなく、その後を追うようにコツメカワウソの「コウメ」「ソラ」がここでのいのちの更新を終えた。重なった最愛の生きものたちとの別れ。その悲しみが癒えないうちに突如世界中に蔓延しだした新型コロナウイルス。感染拡大を受けての戦後初の長期休館。その最中にさえ避けられなかったもうひとつの別れ。先が見えない暗いトンネルの中に差した一筋の光。亡くしたいのちたちが天国から手繰り寄せてくれた奇跡。赤ちゃんの誕生は、この浜辺の小さな水族館をきっと未来へと繋いでくれる。

「生まれてきてくれて、ありがとう」

子どもたち ©️桂浜水族館

 小さな浜辺の水族館に降り積もるいのちの耀き、その海雪に傘を差せば。

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー