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性接待は女優パク・ハンビョルの夫が主犯?

 2020年12月9日の4次公判では、前月の3次公判に続いて性接待に関する証人尋問が行われた。V.Iはクラブ事業などへの投資を誘致するため、2015年から2016年にかけて台湾、日本、香港などの投資家にたびたび売春を斡旋した疑いが持たれている。

 法廷ではまずV.Iの10年来の友人というP氏が証言台に立ち、性接待を指示したのはV.Iではなくユ・インソク氏(36)だと述べた。ユ氏は人気女優パク・ハンビョルの夫であり、バーニング・サンを運営していたユリ・ホールディングスの元代表。“バーニング・サン事件”に絡む売春の斡旋や横領の疑いなどで2019年5月に起訴され、容疑を一部認めている。V.I自身もかねてから「性接待を主導したのはユ氏」と主張しており、P氏の陳述もそれに沿った格好だ。

V.Iの4次公判を伝える「ソウル新聞」電子版(12月10日)

“売春行為を行った”とする女性が証言台に

 だが続いて、性接待の当事者とされる複数の女性が証人として登場。そのうちの1人は2015年9月、ソウル市麻浦区でV.Iと売春行為を行ったと述べた。女性は「V.Iの自宅だと知らなかったが、斡旋者の連絡を通じて分かった」「家に行くとV.Iがいた。代価は第三者から受け取った」「自分の家までタクシーで戻るように言われ、その費用を渡された」などの証言を行った。

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 さらにこの女性は、2015年12月にもソウル市龍山区のホテルで売春行為を行ったと陳述。そしてその相手として再び名前が上がったのが、前述の日本人“投資家”A氏の一行だ。これに対してV.I側は、「有名歌手だったV.Iは経済的に不自由しておらず、投資を受ける状況ではなかった」「事業と無関係なA氏一行に売春を斡旋する理由がない」と反論している。

性的暴行で懲役の実刑判決を受けたアイドルも…

“バーニング・サン事件”ではすでに同クラブの共同代表及び従業員が薬物乱用、元警察官が不正行為の隠蔽で有罪判決を受けている。また盗撮動画の共有で名前の上がった歌手チョン・ジュニョン(31)、同じくアイドルグループFTISLANDのメンバーだったチェ・ジョンフン(30)も、それぞれ性的暴行の罪で懲役5年、同2年6カ月の実刑判決が確定した。

 一方で中心人物とされたV.Iの追及がなかなか進展せず、現地メディアが苛立ちを見せてきた経緯がある。事件から数年が経過し、警察は証拠の確保に苦心していたようだ。だがようやく進み始めた軍での裁判で、性接待の経緯が少しずつ具体化する気配を見せている。法廷でその真相が明らかになる日を待ちたい。