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《2021年は何が売れるのか?》現役転売ヤーが語った「アフター“コロナ特需”の狙い目」

「中国のマニアは金に糸目をつけない」

 "コロナ特需"は終わったが、今彼らは何を狙っているのだろうか。そして、高額で転売するためにはそれを「買う人」がいるわけだが、意外な買い手たちについてこう話す。

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「最近の転売は、生産数が少ない限定モノをどうにか入手して高値で売却する手法が主流です。マスクのような『誰もが欲しがるけれど品薄』というケースは例外で、むしろマニアの心をくすぐる商品が狙い目です。例えば『ベアブリック』というおもちゃの人形には熱心なマニアがいて、高値で売れる。人気のものは抽選で当選した人だけが買えるんですが、定価で3万円くらいするものが、10倍になったりする。ベアブリックは中国での人気も高くて、中国のマニアは金に糸目をつけないので高値がつくんですよ」(C氏)

 そう言いながらも、C氏は1990年代を「羨ましい時代」だという。今ほど転売のためのツールが揃った時代はないが、逆にそれが本職の転売ヤーたちを苦しめているのだという。

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ライバルは、小遣い稼ぎのヒマな主婦や学生

「今はスマホ1つで転売市場に参入できるので、ライバルが多いです。例えば、人気アパレルのSupremeは数年前は狙い目でしたが、今では買っている人のほとんどが転売目的かと思うくらい、発売直後にメルカリに並びます。転売ヤーから買うのは止めようという雰囲気も強まってきたので、なんとか買えてもたいして利益が出なかったり、下手をすると在庫を抱えて丸損になったりします。僕らはアパレルそのものには全く興味がないですからね(笑)。

Supremeは転売ヤーにも人気 公式サイトより

 昔は玄人同士の勝負でしたが、今のライバルは、小遣い稼ぎで転売をしているヒマな主婦や学生。まさに"1億総転売ヤー時代"ですよ」(同前)

NintendoSwitchと「あつまれどうぶつの森」も高額で転売されていた

 転売が一般化し、インターネットの発達で情報格差も小さくなったことで、転売による一攫千金の難易度は上がった。転売ヤー同士の競り合いで値段が上がり、消費者の気持ちが冷めていく事態もあらゆる商材で起きている。

 それでも、一度転売で大きなお金を得た人は、誰もが「その味が忘れられない」という。彼らは今日も新たな方法、新たな商材を探している。

《2021年は何が売れるのか?》現役転売ヤーが語った「アフター“コロナ特需”の狙い目」

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