「今のバラエティーは私を求めてるかな」
——「おバカ女王」で突っ走った時期からキャリアを重ねて、30代を迎えて結婚もされました。デビュー当時と比べて、何が一番変わりましたか?
鈴木 全力でやってるんですけど、新しいタレントさんたちと一緒になった収録の後は圧倒されちゃって「私は勢いが足りないな」って感じます。20代の私もあんな感じだったのかなぁって……。そう思うようになったのは、30歳を過ぎてから。
令和になって、バラエティータレントたちが変わったと思うんです。にこるんやみちょぱって落ち着いてますけど、私って声張ってギャーギャーうるさくないですか? 時代の流れで、いま視聴者の方が求めてるのは私みたいなガヤガヤしてるタイプじゃなくて、落ち着いてる人なのかもしれません。
その流れに乗りたいなと思うこともあるんですけど、大先輩の加藤茶さんに「明るい元気な奈々ちゃんを変えちゃダメだよ。自分に飽きちゃダメだよ」と言われました。出川(哲朗)さんも「うるさくなくなったら奈々ちゃんに何が残るの?」って励ましてくれるんですけど(笑)、今のバラエティーは私を求めてるのかなって正直悩んでますね。
「エゴサーチめちゃめちゃするんで」
——時代の空気とか、お仕事の反響ってどんな風に調べているんですか?
鈴木 自分の出た番組は恥ずかしくて見ないんですけど、「今日はすごくうまくいった」と思う日は見ちゃいます(笑)。逆にうまくいかなかった番組は、どう思われてるか知りたくてネットでエゴサーチしますね。私、エゴサーチめちゃめちゃするんで。朝の「スッキリ」(日本テレビ系)に出た時に「朝からうるさい」と書いてる人がいたので、次からちょっとおしとやかにしたり。でも感想を書くときは優しくしてほしいです!(笑)
最近は、自分をエゴサーチすると、一番上に「鈴木奈々 最近見ない」って出てくるんですよ。最初に見たときは胸がギュッとしました。世間の人たちはこう思ってるのか、って。でも私はポジティブな考え方なので、この時期は自分の時間を作ろうと思ってます。20代から今までプライベートの時間がなかったので、家族や旦那さんとの時間を作ろうと。
でも、「鈴木奈々」で検索して何も出てこなくなったら悲しくなっちゃう。芸能界は浮き沈みが激しい世界なので常に危機感はありますけど、人生、何事にも意味があると思うので、前向きに行きたいと思います。
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芸能生活14年の鈴木奈々は、浮き沈みも何度も経験したベテランである。体当たりと世間の空気を察知する力で、今も次のスタイルを探しているはずだ。後編では、結婚、尊敬する人、一番怒られた“あの仕事”について話している。(後編へ続く)