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元祖“おバカ女王”鈴木奈々(32)が芸能界で一番怒られたTGCランウェイの「体張りすぎ事件」

「いつか、もう一度ランウェイを歩くのが夢です」#2

ドッキリでパイを投げつけられて「よかった」

——ファッション誌のカリスマ専属モデルとテレビのギャルタレントは色合いが違う仕事だと思うのですが、抵抗とか難しさはあったんですか?

鈴木 抵抗なんて全然ないです。バラエティーで体を張ると「奈々ちゃん見て元気がでた」「笑顔になれた」とか、そういうメールが事務所に届くんです。以前、仕事が上手くいかなくて借金を背負って自殺しようとしていた男性の方が、私がドッキリ番組で生クリームのパイを投げつけられてるのを見て、「生きる勇気が湧いた」って言ってくれたんです。NGナシでバラエティーやっててよかったなぁって思えた瞬間でした。

鈴木奈々が初めて表紙を飾った「Popteen」2009年7月号 鈴木奈々公式インスタグラムより

——鈴木さんのリアクションはたしかに常人離れしています。あのリアクションは何か秘密があるんですか?

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鈴木 体を張る収録の前はよく出川(哲朗)さんに相談します。だいたい「奈々ちゃんらしく、やれば大丈夫だよ」って言ってくれるんですよ。終わった後も「あのリアクションよかったよ」とかすごく褒めてくれて。出川さんはカメラが回ってなくても噛み噛みで、結婚前のモテた武勇伝を何度も聞かされるので、私も「エー! スゴいですね」って、初めて聞いたリアクションで毎回返してます(笑)。本当に大好きで、人間として尊敬しています。

©️文藝春秋

ガッツリ怒られたTGCの記憶

——逆に、芸能界の仕事で一番怒られたのはいつですか?

鈴木 一番は東京ガールズコレクションですね。ブランドの服を着てランウェイを歩くんですけど、たまたまバラエティー番組の密着取材が入ってたんですよ。その番組のスタッフさんに本番直前に、「奈々ちゃん、ステージでやってくれますよね」って言われて。

「うわー。これはスタッフさんの期待に全力で応えたい」と思ってしまって。私はブランドを背負っているのにステージを走ったり、手や頭を回したりして暴れました。

2015年の東京ガールズコレクションのランウェイを歩く鈴木奈々(左)とみかん Ⓒ時事通信社

 でもそんなことしたら、服や鞄がまったく見えなくて素敵な服のイメージも崩れちゃいますよね。ファッションショーはカッコよく決めなくちゃいけないのに、「あれはやり過ぎ!」と、事務所にガッツリ怒られました。ファッションの仕事とバラエティーの仕事は別なので、分けないとダメだった。にこるんやみちょぱは、そこがちゃんとしてますよね。でも私、言われるとやっちゃうんですよ……(笑)。いつか、もう一度ランウェイを歩くのが夢です。