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嵐、NiziU、鬼滅の刃…だけじゃない! 2020年の紅白は“必見ポイント”がありすぎて大変だ

2020/12/30
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筒美京平メドレーを歌うのは……

 紅白はまた「昭和を代表するヒット曲」の良さを再確認できる場でもある。今回楽しみなのは郷ひろみの筒美京平トリビュートメドレー。「よろしく哀愁」「花とみつばち」は必ず組み込まれると思うが、「誘われてフラメンコ」も入りますように……。

 彼のアイドル時代、まだこの世に生まれていなかった世代にこそ聴いてほしい。「エキゾチックジャペアオオン!」や「アチチ!」とはまた違う、郷ひろみ×筒美京平の甘く繊細な世界観にとろけよう。

郷ひろみ ©文藝春秋

 五木ひろしの「山河」も最高の選曲。作詞小椋佳、作曲堀内孝雄。コロナ禍で疲れ果てた1年の終わり、迷いや怒りも一緒に語り、心をふるい立たせてくれるような楽曲。今聴くべき名曲だ。

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演歌勢は今年も期待大

 そして鈴木雅之。歌唱曲の「夢で逢えたら」は、50代の私にとっては懐かしく嬉しい限り。ところが現在鈴木はTVアニメ「かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~」の主題歌「DADDY! DADDY! DO! feat. 鈴木愛理」もヒット中。それゆえ、この選曲には「違う、そうじゃない」という声も挙がっているようだ。なんと悩ましい二択。鈴木雅之もどちらを歌うか吐くほど悩んだはず。

 が、「夢で逢えたら」は歌手生活40周年、彼の「熟しているのに爽やか」という奇跡の激シブボイスが堪能できる名曲だ。こちらを聴いて損はない。ともに堪能しよう。

©iStock.com

 なにより紅白で忘れてはいけないのが、演歌勢のサービス精神と心に響く歌声。演歌歌手にとって紅白は一世一代の晴れ舞台。出場できるその喜びを舞台演出に昇華してくれる歌手が多い。ときには歌の世界観と全く関係ないチャレンジやコラボも、その素晴らしい歌唱力と包容力で感動に導く彼らのステージこそ、紅白の最大の見どころといっていい。

 例えば、三山ひろしの「けん玉ギネス挑戦」。最初こそ「歌が入ってこない」と戸惑ったが、あの緊張感の中、朗々と歌の世界に入り込む精神力とプロ意識に年々感動が高まっている。「ビタミンボイス」と呼ばれる明るい歌声も素敵だ。