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「逆にヤバくないっすか? 逆にイケてる!」

 そして迎えた年越しの瞬間。「10、9、8、7…」といったカウントダウンは発生しなかった。その代わりに、目立ったのがスマートフォンを上方に向ける人の多さ。

何も映っていない大型ビジョンを撮影する人々 ©文藝春秋

 何を撮っているのか、前方にいた20代男性に聞いてみると「逆にヤバくないっすか? 逆にイケてる!」との返答があった。

 “カウントダウンの瞬間なのに、大型ビジョンが消灯されている”ということが、逆に“ヤバい”ということらしい。

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一人で渋谷を訪れている人の姿も ©文藝春秋

 また、一人で渋谷を訪れている人が少なくなかった。

 コロナ禍で外出自粛を続けた1年だったから、最後の瞬間くらい自粛のストレスを発散しようということなのだろうか。

閑散とした改札口 ©文藝春秋

 終電ギリギリまでこの祭りを楽しもうという思いからか、0時を回っても家路につく人はほとんどいない。終電の時刻を迎えて一帯にとどまっていた多くの人は、次第に近隣で営業する居酒屋へと足を延ばしていた。

 繰り返しになるが、“例年に比べると”確かに人出は少なかった。しかし、決して“静かな年越し”だったとは言い難いのが実際のところだ。感染拡大防止と経済活動のせめぎあいが続くなか、果たして2021年はどのような年となるのだろうか。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。