アディダスは今シーズンのイメージカラーに蛍光イエローを採用しましたが、なんとナイキもアルファフライに蛍光イエローを採用。希少なアディダスランナーがナイキに埋没してしまうという悲劇も起きました。
流通を制するものがシューズ戦争を制す
もうひとつは流通です。コロナの影響もあり、選手だけでなく、市民ランナーも、店舗に行って感染リスクを上げるよりも、オンラインで買った方が、サイズやモデルが豊富にあって便利だということに気づいた。
この面においてもナイキは手ぬかりがなく、サイトは見やすいし、外出自粛期間中は、大幅値引きまで行っていて、これが本当に安かった! 届いたシューズのサイズが合わなければ、すぐに取り替えてくれるなど、オンライン対応もしっかりとできていました。
一方、他のメーカーは、オンライン上で買えるモデルが限られていたりとEコマースの面でも劣っていた。今後のシューズ戦争は「機能」に加えて、Eコマースをはじめとした「流通」面も大きな要素になってくると思います。
ついにアシックスを履いた選手がゼロに…
そして今大会では、忘れてはいけない大きなニュースがありました。
それは、冒頭で言ったようにアシックスを履いている選手がついにゼロになったということ。2017年の箱根駅伝では第一党だったアシックスがわずか4年でゼロになったのです! アシックスは世界陸連と日本陸連の大スポンサーでもあります。それが日本最大の注目を集める陸上競技イベントである箱根駅伝から姿を消した。これは大変なことだと思います。
そんな状況を考えると、今後もしばらくはナイキの独占状態は変わらないでしょう。その中で各メーカーはどんな提案をしてくるのか。選手はどんな視点で選んでくるのか――。楽しみに見守りたいと思います。
構成/林田順子(モオ)、表作成/ポール(EKIDEN news)