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2021/01/11

source : 文春新書

genre : エンタメ, 読書, 社会

愛人、枕営業……デマだらけの中国商法

 さらに別の問題もある。「ウソでも話題になれば勝ち」という広告宣伝文化が根強い中国では、興行主やそれに近い筋が、自分たちが呼んだAV女優に関連するデマを意図的にマスコミにリークして、ゴシップ系の炎上報道で自社や商品の知名度を高めようとする傾向があるからだ。

 たとえば、2012年1月にショッピングサイト大手の凡客誠品(ファンクーチェンピン[VANCL])が蒼井そらを旧正月前のパーティーイベントに招聘した際には、50万元(約800万円)のギャラが支払われたと現地メディアが報じた。また、2013年5月には蒼井の書道作品がオークションで60万元(約960万円)で落札されたと、上海市党委員会機関紙の『解放日報』で報じられた──。これらのニュースは日本にも転電の形で伝わっているのだが、蒼井本人によれば「完全にウソです」とのことであった。

 また、2015年春には中国で人気が高いAV女優の水咲ローラが、現地の大富豪と5000万元(約8億円)で15年契約の愛人契約を結んだというニュースが大きな話題となった。「中国側クライアントがイベントの話題作りを狙って、日本側に無許可で流したデマです。ちょっと考えればわかると思いますが、現実的にあり得る話ではありません」

 水咲の所属事務所であるティーパワーズのI氏は、呆れ顔でこう否定する。

 他にも、中国側の興行主と食事をおこなった際に、売出し中の男性芸能人が隣の席に座り、数日後に「AV女優〇〇に中国人の恋人発覚」といったニュースが出るなど、ヤラセ的な仕込みがなされる例は枚挙に暇いとまもないという。

©iStock.com

 また、AV女優の中国進出については、いわゆる枕営業の噂もつきまとう。「所属タレントのリスク管理ができないので、まともなコンプライアンス意識を持つ事務所はやりませんね。現地企業とのタイアップなど、もっと普通にマネタイズできる方法がたくさんあります」

 ティーパワーズのI氏はそう説明する。自社の所属女優を、表向きは売春行為が禁止されていて言葉も通じない中国において1人で放り出す行為が、極めてハイリスクなのは言うまでもない。いわんや、蒼井そらや波多野結衣クラスのドル箱女優にそれをやらせるわけにはいかない。大手事務所の場合、中国での枕営業に手を出す行為が割に合わないという話は納得できる。ただし、中国側の興行主が、日本側の事務所にAV女優を差し出すように要請したり、会場で直接女優に対してそうしたオファーを出すなどのケースは存在している。筋の悪い小規模な事務所には、それに従って中国側に女性を提供している会社もある模様である。

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