昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

元日恒例『おもしろ荘』で分かった“2021年に伸びるコンビ”の実名〈今年ブレイクするのは「東京っぽいのに関西出身芸人」〉

2021/01/10

 おかずクラブ、ブルゾンちえみ、ぺこぱ、エイトブリッジなど、これまで数々のブレイク芸人を輩出してきた元旦の恒例企画『ぐるナイおもしろ荘』(日本テレビ系)。

 今年2021年は、Everybody、エルフ、オフローズ、さんだる、戦士、ダイヤモンド、野田ちゃん、フタリシズカ、やす子、ワラバランスの10組が参戦し、ダイヤモンドが優勝を飾った。

『おもしろ荘』は毎年キャラの濃い面々を選出しており、そのほかのネタ番組とは一線を画す番組だ。ネタの面白さを堪能できるだけでなく、露出の少ない芸人の“秘めたタレント性”を想像する楽しさも味わえる。

毎年元旦に放送される「ぐるナイおもしろ荘」は若手の登竜門的番組だ(Hulu公式サイトより)

 言い方を変えれば、賞レースとは異なる“リアルな実力”が試される場なのだ。

 2018年の放送では、3位だった宮下草薙が強烈なインパクトを残し、その後はジワジワと人気を獲得していった。私が直接彼らにインタビューしたところ、事前の観客を入れたライブ形式のオーディションでは宮下草薙は、はじかれていたそうだ。しかし、番組スタッフが「面白いから」と本番にねじ込んでくれたことでチャンスを掴んだ。

 このエピソードからも、『おもしろ荘』という番組がいかに“伸びしろのある面白さ”で選んでいるかが窺える。観客の反応という評価に頼るだけでなく、新たな可能性を感じる芸人には“蜘蛛の糸”を垂らす番組なのだ。

 そんな2021年の“新たなブレイク芸人”を占う元旦の放送で、私は、優勝した「ダイヤモンド」と、「オフローズ」の2組に注目した。

 彼らはどのようなキャリアを積んできたのか。そして、2組に共通する魅力とは何なのか、見ていきたい。

芸歴10年でやっと注目された実力派

 まず、優勝した「ダイヤモンド」(吉本興業)とは、どんなコンビなのか。2人はコンビ歴こそ浅いがどちらも芸歴は丸10年。すでに同業者から実力を認められていた存在だった。

ダイヤモンド(「ぐるないおもしろ荘2021」公式ウェブサイトより)

 ツッコミ・野澤輸出(34)はNSC東京校出身。同期はニューヨーク、マテンロウ、デニス、鬼越トマホークなど個性派ばかりだ。その中でも、野澤が当時組んでいたコンビ「エレーン」は、飄々としたボケを特徴とする芸風で、一目置かれる存在だった。

 一方のボケ・小野竜輔(30)はNSC大阪校に通っていた。2010年に同校で知り合った元ジョッキーという異色の経歴を持つ松下慎平と「アルドルフ」を結成するも2016年3月に解散。その後、山口ゆきえとのコンビ「セクシーパクチー」での活動を経て、2017年に当時ピン芸人として活動していた野澤を誘い、コンビを結成した。小野は、かねてより野澤を「面白い」と感じていたようだ。