明るいチームは勢いが出やすくなる
ーー暗いよりも明るいムードの方がいいのは、なんとなく分かります。ただ、チームの強さと雰囲気はどこまで関係するんでしょう。
例えば昔のホークスって明るいイメージが全くなかったと思いませんか? 僕が入団した時も「何、この暗いチーム」って思ったんですよ(笑)。すごい選手はいるんだけど、みんな堅物で雰囲気が重い。そうなると若手の中に、「一軍に行きたくない」という雰囲気が少なからず出るんですよ。川崎さんがいなくなった2012年も、まだまだ昔の雰囲気を引きずっていた。それがなくなったのは2014年の優勝からですね。明るいチームって勢いが出やすくなるんです。持っている力以上のものが出る。
暗いチームだと負けたとき「なんでこんなにできないんだろう…」という思考に陥っていくんですけど、明るいチームは、練習などの裏付けさえあれば「やってきたことを信じていこう」となる。そうすると本当に思った以上に勝てたりして、いいサイクルにハマりやすい。多少負けても自信があるから落ち込まないし、贔屓目でなく、今のホークスは本当に強いと思います。目に見えない気持ちの強さがなければ、4年連続日本一なんて取れませんよ。
調子が悪い時こそ人一倍エネルギーを使うべき
ーームードメーカーという存在は、自分が調子のいい時はいいと思うんです。一方で、自分の成績が悪いときにチームを盛り上げるというのはとても難しくないですか?
そうですね。特にプロ野球選手は個人事業主ですから。どんなにチームメイトに「頑張れ」と言っても、自分が試合に出続けないと意味がない。他のチームにも、自分のチームにも“敵”がいる。ライバルよりもひとつでも上に行きたいというのが本音で、そこはとても難しい部分だと思います。
ただ、プロである以上、それは自分自身でいち早く解決するしかないんです。そのために、僕は調子が悪い時こそ人一倍エネルギーを使うべきだと思っています。頭を使ったり、考え方を変えたり、自分ととことん向き合う。