昨シーズン、巨人との日本シリーズを危なげない4連勝で制し、4年連続日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークス。
毎年、快進撃を続けるチームの柱となっているのは、不動の三塁手として活躍し、今年38歳となる松田宣浩だ。プロ生活も15年を越えたとなれば、自身のプレーだけではなく、チームの中でベテランとしての役割も求められるようになる。
松田はいま、そんな自身の立場をどう捉えているのだろうか。本人に話を聞いた。
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ムードメーカーを意識し始めたのは2012年から
ーー松田さんといえば、ホームランのたびに湧き起こる「熱男」コールなど、ソフトバンクのムードメーカーとしても長く活躍されていますよね。
2011年までは川崎(宗則)選手がそのポジションでチームを引っ張ってきていたんです。でも、2012年に川崎選手がメジャーリーグに行くことになって。そのときに川崎選手に呼ばれて、「俺の立ち位置はお前に任せたから」と言われました。ムードメーカー的な役割を意識するようになったのはそこからですね。
ただ、いきなりやれと言われても、どうしたらいいか分からなかった。大体、実績も出ていないのに、1人だけはっちゃけてると思われても嫌じゃないですか。成績や技術といったプロ野球選手としてのポジションと、盛り上げ役としてのポジションの両方でちゃんと目立っていかないといけないな…と。
そういうところから始まって、怪我なく全試合出場したり、日本代表に選ばれたり、優勝に貢献できたり――。少しずつ実績が自信につながって、昔より今の方がしっかり声を出せるようになった。いまは8年前よりもチームを盛り上げて、元気に先頭に立つキャプテンになれていると思います。
35歳くらいから「ベテラン」と呼ばれたくなくなった
ーー松田さんはベテラン選手でありながら、誰よりも声を出していますよね。
そもそも僕、ベテランと言われるの嫌いなんですよ。
昔は早くベテランになりたいと思っていたんですけど、実際にベテランと言われる年齢に近づき始めた35歳くらいからどんどん嫌いになって。「ベテラン」って言葉のイメージは「ゆっくり、どっしり、発言だけ。ものを言う、オーラがある、怖い」って感じでしょ(笑)。