文春オンライン

2021/01/09

genre : ニュース, 社会

「娘は精神を病んで会社勤めを辞めた」「どうしても100円足りなくて」

 だが、2018年頃から異変は始まった。同じマンションに住む女性はこう振り返る。

「以前、『娘は会社勤めをしていたが精神を病んでしまって辞めた』と母親から聞いた。たまにコンビニエンスストアでアルバイトをしていたと聞いたこともあるが、実際に働いていたかはわからない。2人の人柄からは想像できないが、3年前くらいから、うちに度々『お金を貸してほしい』と来るようになった。同じマンションの別の住人からもお金を借りていたようだ」

Ⓒ文藝春秋

 この女性は一昨年までの間、母娘に複数回に分けて計約10万円を貸したという。

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「どうしても100円足りなくて・……。100円だけでも貸してもらえませんか」

 2020年10月上旬に1年半以上ぶりに母親が女性宅を訪ねて来て、こうせがんだという。

「さすがにあげた。『亡くなった旦那の弟の遺産4億円を生前相続するために、弁護士費用が必要だから』と理由を説明された。そうしたら、その日の夕方に娘が来て『またいくらか貸してほしい』と。これ以上来られても困るので、もう断った」(同前)

「4億円の遺産が振り込まれる」

 母娘は同時期、同様の口実で同じマンションの別の住人宅や、複数の近隣住民宅をたびたび訪ねては、少額の現金を借りて回っていた。

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 同じマンション住人の男性宅には、昨年9月下旬に母親が訪れたという。思いつめたような様子で、「お金に困っていて、2000円でいいので貸してくれませんか」と切り出した。男性はすぐに現金を手渡した。すると、「『もう1万円貸してほしい』と立て続けに娘が借りに来たんです」という。

「10月以降も繰り返し訪れ、深夜に突然来ることもあった。俺も困っていると思って計10万2000円貸した。だが、しびれを切らして、何度も『いつ返すんだ』と聞きに行ったが、『近々、4億円の遺産が振り込まれるので、それで必ずお金は返す』というだけ。結局、返済はなかったね」(同前)