また個人経営で少人数の運営をしている美容室にとって、一人のスタッフがフルタイムで働けないのは、大きな戦力ダウンです。多くの雑務も含めて「私が他のスタッフに負担をかけている」という心理もあり、十数年前までの多くの女性美容師にとっては、「辞める」か「出産しない」か、ほぼ二択だったのです。
「面貸し」「業務委託」……人材不足による雇用の変化
しかし、この10年の間に人材不足が顕著になり、現場が圧迫されるようになったことで、在籍している人材の確保は美容室の最重要課題になりました。
「仕事とプライベートの両立」という価値観の変化、それによる働き方の多様化、ここにきてのコロナ禍。会社側が柔軟に変化する事を余儀なくされている今、女性美容師でも働ける環境が整えられてきています。
近年の美容界の大きな変化として、「面貸し」と「業務委託」という仕事のスタイルが確立されました。
簡単に言うと「面貸し」は美容師が美容室から1席を借りて、自分が抱える顧客をやるスタイル、「業務委託」は美容室から接客をすることを専門に美容師が雇われて、報酬を得る形です。
どちらも「従業員」ではなく「個人事業主(フリーランス)」として仕事に応じた報酬を貰い、今までのような会社との主従関係ではない、対等な関係で仕事ができます。拘束時間に縛られることもなく、副業や家事、子育てや趣味などの時間を、その人が配分することができます。
詳しくは、こちらで解説しています。
美容師の働く環境が改善されると、気持ちの余裕が仕事のクオリティに反映されて、お客様に還元することができる。女性美容師のみならず、多くの美容師が心地よく働けるようになる、お客様と美容師がwin-winになれればと思います。