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なぜこの味を缶ジュースに? 時代を超える「謎ドリンク」ベスト50 維力、サスケ、ドクター中松の頭茶、メッコール、熱血飲料…

清涼飲料水専門家が選んだ“昭和レトロ”

2021/01/16

40位「猿王」

40位「猿王」

「猿王とは、高級な烏龍茶葉の名前らしい。かつて、崖地に生えていた高級茶葉を猿に採取させていたことから、猿王という名がついたと商品説明にはあった。その高級茶葉を使用したのが当製品。缶飲料の材料として使用されていた時点で猿が収穫していたとは思えないが、人の心は弱い。とある雑誌の読者参加型試飲企画で、猿王を飲んだ際、参加者の一人が『猿臭くない?』と言い出した。すると他の参加者たちも『そんな気がする。獣臭いのは確か』。私も飲んだが、確かに獣臭い気が……。伝説の飲料のひとつである」(ロッテ、1994年、茶)

39位「午後の紅茶 ストレート初代缶」

39位「午後の紅茶 ストレート初代缶」

「午後の紅茶は、紅茶飲料として初めて1.5リットルペットボトル入りを発売したことが業界的にはニュースだったらしい。だが、消費者的な立場から言えば、これまでの紅茶飲料より格段に甘くないことに驚いた。むしろ、これまでの紅茶がなぜ、あれほど甘かったのか不思議に思うくらいだった。発売から数年は、むやみやたらに飲んでいた。現在も紅茶飲料の中では不動のセンターだろう」(キリン、1986年、紅茶)

38位「バャリースオレンヂ」 

38位「バャリースオレンヂ」

「昭和の半ばくらいに生まれた人にとって、『オレンジジュース』といえば、バャリースだった(もしくはリボンオレンジ)。『バャリース』の『バャ』をどう発音するのか分からなかった。現在も絶賛発売中の定番商品だが、ブランド表記は1987年に『バャリース』から『バヤリース』に変更となっている。ちなみに1970年代に入って『ジュース』という呼称は100%果汁以外、名乗ってはいけないこととなり、『ジュース』と名乗ることはなくなったが、それを知った上で飲む側としては、『オレンジジュース』とあえて呼びたい商品」(朝日麦酒〔現・アサヒ飲料〕、1951年、フルーツ)

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37位「北陸育ち(ゴジラ缶)」

37位「北陸育ち(ゴジラ缶)」

「ゴジラこと松井秀喜選手が石川県出身だったことから、同じく石川県にあったメーカーが販売した。発売時期によりパッケージは何パターンかあるようだ」(総家小松園、1997年、茶)

36位「はちみつレモン」

36位「はちみつレモン」

「当時、爆発的にヒットしたのがはちみつレモン。略称として『はちレモ』と呼ばれていた。『はちみつレモン』は商標登録できなかったため、ヒットに続けと各社が『はちみつレモン』を発売。パッケージデザインも似ていたため、どこのメーカーのものかわからない状態だった」(サントリー、1986年、フルーツ)

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