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「知識が足りない、でもどこから手をつけていいの…?」人気ブロガーが教える「独学」の技術

『独学大全』(読書猿 著)――ベストセラー解剖

2021/01/20
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『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』(読書猿 著)ダイヤモンド社

 780ページを超える極厚の本が売れている。著者は組織に勤めながら、古典哲学から最新論文まで多彩な文献を読み解き、知を紹介している人気ブロガー。

「長年ビジネス書を作り続けてきましたが、もともと経済や経営について体系的に学んだことがなく、知識が全く足りないと感じていました。でも、どこから手を付けたらいいのかわからない。そんなときに著者の本とブログに出会い、著者の『独学』の技術こそが、自分の知識への欲求を満たしてくれるものだと思ったんです」(担当編集者の田中怜子さん)

 自分が本当に学びたいことの見つけ方や、くじけず学び続けるための技術、読むべき本を見つけるための手段に、学んだ知識の整理の仕方など、抽象的な問題設定から実践的な勉強法までを網羅している点が特色だ。自分の悩みに応じて独学の事典のように取り扱え、初学者はもちろん、既に学び始めている人でも、紐解けばなんらかの気づきが得られる。

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「最初から目指したわけではないのですが、執筆を進めるうちに、著者が自分の生きた証、『主著』と呼ぶような大著になりました。人文系の読者から自己啓発本の読者まで、広い層に読まれています。本書に『独学は孤学ではない』という言葉が登場しますが、SNSを通じた反響で、それを実感しています」(田中さん)

2020年9月発売。初版9000部。現在8刷14万部(電子含む)

「知識が足りない、でもどこから手をつけていいの…?」人気ブロガーが教える「独学」の技術

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