文春オンライン

《桑田巨人復帰の真相》“キングメーカー”原辰徳がけん制した「次期監督気どりのオレ様」とは?

note

原監督と桑田の関係がこじれた事件

「桑田が巨人を去ったのは、第2次原政権の時。当時の桑田はコンディションが悪化して先発を直前で断ることも多く、“チームファースト”を掲げる原にとっては、個人主義が目立つ扱いづらい選手だった。それでも原としては桑田に巨人一筋で引退してもらっていつか指導者にと考えていたが、当の桑田は引退する気がまったく無かった」(前出・スポーツ紙記者)

 引退こそ最善と考える原・球団サイドと、現役続行を望む桑田サイドの話し合いが平行線をたどる中、桑田氏は独断でホームページで退団を発表した。原監督はメンツをつぶされる形になり、その時点で2人の関係は確かに一度断絶した。結局、桑田はそのまま巨人を退団し、海を渡って米ピッツバーグ・パイレーツと契約。夢だったメジャーのマウンドを踏み、2008年に引退している。

 さらに桑田には、巨人への復帰が絶望的と言われていた事情がもう1つある。「投げる不動産屋」という不名誉な称号を生んだ借金処理問題をめぐる、現・読売新聞グループ本社取締役主筆の渡辺恒雄氏(94)との確執だ。

ADVERTISEMENT

桑田真澄と原辰徳、2人はどんな関係性を築いていくのか Ⓒ共同通信社

「桑田さんが現役時代、義兄が不動産投資の失敗で作った20億円とも言われる借金の大部分を親会社の読売新聞が肩代わりしたことが報じられました。しかし、全て払ってもらえると思っていた桑田さんは周囲に不満をこぼしていた。それを伝え聞いた渡辺主筆が、『恩知らず』と激怒したとも言われています。引退後に桑田さんが冷遇され続けていたのは、原監督とのトラブル以上に渡辺主筆の怒りによるところが大きかったのではないでしょうか。

 しかし高齢の渡辺主筆が球団運営から離れたことで、桑田さんへの風向きが変わってきた。一方で、原監督も2003年まで続いた第1次政権を渡辺主筆とのトラブルで終えており、“敵の敵は味方”という気分があったのではとみる関係者も少なくないのです」(前出・球団関係者)

阿部の女性スキャンダルも影響したか

 いざ動き出してみると、原監督と桑田氏の合理的な性格もプラスに働き、異例のコーチ招聘は思いのほかスムーズに実現した。加えて「阿部の対抗馬を用意する」という意向は、スキャンダルのリスクを危惧する球団幹部の考えとも一致していたという。

阿部慎之助 ©️文藝春秋

「阿部は過去にグラビアアイドルとの不倫が報じられたことがあり、それが後を引いている。阿部が監督に就任したときに、当時のプライベート映像が流出したりするのでは、と不安視する声があるんです。桑田以外にも『阿部よりは高橋由伸の再登板の方がよいのでは』と考える人さえいる状況。高橋は巨人一筋で、球団の事情を汲んで現役を引退して監督になった経緯もあり、その忠誠心に対する評価はいまだに高いです」(前出・球団関係者)

 第2次政権の時に後継者を育てられなかった後悔から、原監督はなんとしても禅譲を成功させる必要がある。桑田真澄という切り札は、果たして吉と出るか凶と出るか。

《桑田巨人復帰の真相》“キングメーカー”原辰徳がけん制した「次期監督気どりのオレ様」とは?

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー