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Q3.Go ToトラベルやGo ToイートなどのGo To事業の実施は正しかったのでしょうか? 

 現在は中止になっていますが、Go To事業については、「ハンマー&ダンス」と呼ばれるロックダウン派の考えに仮にあてはめたとしても、いい施策だと評価されるはずです。ロックダウン派の考え方としては、感染拡大の波が来て、ハンマーを振るわなければならない時期には経済にも大きくブレーキをかける。しかし、感染拡大がある程度収まったら経済のアクセルを踏む。つまり、自粛期間とそうでない期間とのメリハリをつけて、経済を回すということです。厳しいロックダウンを行ったイギリスでもGo Toイートのような政策がとられました。

1都3県への緊急事態宣言で記者会見する尾身茂会長。左は菅義偉首相 ©時事通信

 分科会の尾身茂会長も仰っている通り、分散した少人数での旅行は飲食や接待よりも感染拡大リスクが小さい。けれども、一度不安のスイッチが入るとGo Toトラベルばかりが不安視され、飲食や接待、通勤がもたらす感染拡大のリスクと、Go Toトラベルがもたらす感染拡大のリスクを比較する分析ではなく、Go Toトラベルのもたらす危険についての言説がクローズアップされました。

緊急事態宣言が解除されたらGoToを再開した方がいい

 日本では昨年の最初の緊急事態宣言が発令される前から、みんなで自粛を始め、経済が縮小しました。こうした自発的な自粛は一定程度自然に生じるものなのです。ところが、緊急事態宣言が出されたことで、自粛が非合理な規模にまで拡大した。一時期は建設現場さえ止まってしまっていたのですから。するとハンマー(緊急事態宣言)が終わって、さあこれからはダンスをしましょうという時になっても、「やっぱりダンスをするのは良くないんじゃないか」という風潮が生じてしまう。これは日本の特徴ともいえるでしょう。お隣りの韓国ではロックダウンの後に、いわゆる「リベンジ消費」が起き、百貨店一つとっても昨年同月比の売り上げを上回るなどしました。しかし、日本ではそういった現象も起きず、売り上げは昨年よりも減ったまま推移しています。

三浦瑠麗氏 撮影/石川啓次 Ⓒ文藝春秋

 日本人の国民性を踏まえると、政府による監視や働きかけよりも自分たちで「相互監視」をしてしまう効果の方が大きい。雰囲気が大事だということです。従って、「経済を回すべきだ」という呼びかけよりも、Go Toのような「お得さで釣る」という政策の方が効果が出やすいのです。しかしGo Toキャンペーン期間に救われたホテル・旅館があったのにも関わらず「やっぱり感染がまだ終わってなかったからGo Toはよくなかったんじゃないか」という情緒的な意見が出てきていますね。そこに対しては、政府がしっかり責任をもって、内閣支持率の数字に惑わされることなく、緊急事態宣言が解除されたらGoToを再開した方がいいと思います。

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