どうして茂さんにお湯がかかったか
詩織サイドは、当然ながら、これらの供述や冒頭陳述に猛反発した。例えば「梅ぼしを取って欲しいと詩織が頼んだ」などという指摘について、詩織は06年11月15日の公判(千葉地裁)で大島一弁護士らからの弁護人質問でこう答えている。
弁護人 どうして茂さんにお湯がかかったか覚えている範囲で説明してください。回転したとき茂さんの体に鍋はぶつかったの?
被告人 右回転で鍋をテーブルに置こうとしたら鍋が傾き、お湯が私のほうにかかってきた。反射本能でまっすぐに直したら茂さんにかかってしまいました。
弁護人 茂さんに鍋はぶつかったのか?
被告人 実際鍋が茂さんにぶつかったのは見ていません。感覚ではそう思いました。
弁護人 茂さんがお湯がかかる前にいた場所はガス台とダイニングの間の電子レンジ寄りですね。ガス台のすぐ右側ですか?
被告人 ハイ。
弁護人 茂さんは回転前にそこにいたと思いますか?
被告人 ハイ。
弁護人 そんなに近くにいたのにどうして気がつかなかったのですか?
被告人 それまで(茂さんは)ビールを飲んでテレビの前にいました。私は(イヤホンで)音楽を聴いていて注意していませんでした。
弁護人 茂さんのどこにぶつかりましたか?
被告人 私はみていませんでした。もしぶつかったとしたら肩辺りです。
弁護人 茂さんは何をしていたのですか?
被告人 何かをとりにきていました。梅か梅ぼし。
弁護人 茂さんに後で聞いたのですか?
被告人 梅か梅ぼし。
弁護人 事件後も聞いていないのですか?
被告人 頭が真っ白になっていたので覚えていません。
弁護人 どうして梅か梅ぼしと思ったのですか?
被告人 茂さんは1日1回梅ぼしを食べます。お酒の中につけた梅を3時のおやつ、食後などです。
弁護人 梅酒の梅?
被告人 ハイ。
弁護人 あなたは梅を食べる習慣は?
被告人 私はありません。最初食べましたが、アルコールがきついのであまり好きではありません。