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アルヴェル乗りは「ヤンキー」ではない

 突然だが、これまでアルファード・ヴェルファイアには「ヤンキー御用達」のイメージがついて回ってきた。Google検索で「アルヴェル」と打ち込むと、「ヤンキー」「DQN」「下品」といった言葉がサジェストされる。カーメディアなどでも、アルヴェルとヤンキーの親和性についてはしばしば言及されてきた。

「アルヴェル」の検索サジェスト

 アルヴェル購入層が真にヤンキー的な嗜好を持っているのであれば、オラついたデザインであればあるほど歓迎されそうなものである。ところが現実には、ヴェルファイアのデザインは「過剰なオラつき」によって敬遠され、アルファードの「適度なオラつき」が好評を博す結果となっている。

 あくまで既存の価値観の枠内に留まりながら、社会的ステータスの高さを誇示できる程度のラインが、節度をもってオラつくうえでは重要なのだろう。

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ヤンキーとは対極の「合理的経済人」

 つまり「アルヴェルのようなオラついた車に乗っている人は、車で見栄を張りたいヤンキー層である」といった認識は、実情を正確に捉えていない。むしろアルヴェルの購入層は、社会的に認められる価値に対して鋭敏な感覚を持った「合理的経済人」としての側面が強い。

©iStock.com

 一般的に、車の価値は3年ほどで半減すると言われる。

 対してアルファードの買い取り相場は、3年落ちで7割、「S“C パッケージ”」などの人気グレードであれば8割に達することも珍しくない。1年あたり30万円程度の負担で、初回車検を迎える3年ごとに最新の人気車種に乗り換えるユーザーも見られる。買い換え費用だけで比べれば、クラスが下の車種よりも得になるケースもしばしばだ。