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オーセンティックバーの絶品ナポリタン
最近の大ヒットといえば、木屋町二条の『Bar K6』。以前から、こちらの玉子サンドが好物で、2軒目、3軒目にと何かと足の向くバーだったのだが、18時の開店直後に訪れてビックリ。洋食メニューがこれほど充実していたとは。
オーナーの西田稔さんが「喫茶店の懐かしい味を狙っている」と薦めてくれたナポリタンを食べて瞠目した。スパゲティーニのアルデンテの具合、完璧。焦がしケチャップは洗練された甘みで、バターの風味でトマトの香りがふくらみ、一層華やかになっている。喫茶店の、というよりは、リストランテで出てきてもおかしくないモダンな味わい。正直、今まで食べたナポリタンの中で、ぶっちぎり旨かった。それをブルックリンラガーIPA片手に味わえるなんて“口福”至極だ。2杯目はウイスキーベースのカクテルを選び、ハンバーグと合わせてみた。噛めば流れ出す肉汁、コク深いデミグラスソース。そこに重なるウイスキーのスモーキーな薫香。いやはや、こんなマリアージュがあったとは!
しかし、こちらのデミグラスソース、バーの域を超えている。聞けば、厨房でシェフが牛骨を焼くところから3日かけてとるそうな。シェ、シェフ? なんでもできる器用なバーマンの料理に出合うことはあるけれど、オーセンティックバーにシェフとな。
U字とI字のカウンターが2本走る店内は38席と大箱で、バーの重厚感がありながらも、ダイニングの風情。開店は23年前、巣立った門下生数知れずの、京都屈指の名門バーは、飲み足りないからと2軒目に行くだけではもったいない。洋食で飲みたい気分の夜、1軒目にも全力でお薦めしたい。