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南櫓と北櫓には上田城に関するさまざまな資料が展示されている

 このように2度も実戦を経験し、輝かしい戦果を上げた城は、全国に数多く存在する近世城郭の中でも上田城だけである。この2度に渡って繰り広げられた合戦はNHK大河ドラマ『真田丸』でも大きな見どころの1つとなるだろう。実際に上田城で大規模なロケが行われたようだ。

 関ヶ原の戦いの後、上田城は2度も苦汁をなめさせられた徳川家康の命によって徹底的に破壊され、堀も埋められた。その後、徳川方についた昌幸の長男・信幸(信之)が上田領を引き継いだが城の再建は許されず、三の丸、現在の上田高校の位置に居館を構えて藩政を行ったが、元和8年(1622)、 真田家は松代に移封。仙石忠政が上田城主となり、寛永3年(1626)幕府の許可を受け、真田氏時代の縄張りを受け継ぎ上田城の再建が始められた。2年後の寛永5年(1628)忠政の死により城普請は中断。仙石氏の後に城主となった松平氏の代になっても、その姿にほとんど変化はなかった。かつて本丸には櫓門2基、櫓7基があったが、現在は櫓3基と櫓門1基を残すのみとなっている。その他、石垣や土塁が数多く残されている。

現在上田城には3つの櫓が残されているが、西櫓は江戸時代初期に建てられたままの城郭建築として特に貴重。2016年『真田丸』の放送に合わせて1月4日から内部も公開される予定

 城門をくぐってすぐ左手にある櫓資料館では、上田城の歴史が展示されているほか、第一次、第二次上田合戦の両軍の動きを再現した映像を流しているのでより深く理解することができる。

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 真田氏が戦国大名としてのし上がっていく拠点になった城の櫓から上田の街を見下ろせば、真田一族の存続に命を懸ける昌幸・信幸(信之)・信繁(幸村)たちの熱い気持ちが伝わってきて思わず武者震いが出る。

 また、上田市の教育委員会は城内の指定されたポイントに立ってスマホをかざすと江戸前期の城内の風景を再現した立体映像が見られるVRアプリを開発し、2016年1月4日から市Webサイトで配信する予定。江戸時代の上田城にタイムスリップしたような感覚が味わえ、城内見学がより一層楽しめるだろう。

二の丸の東側の堀には、1927年11月から1972年2月まで線路が敷かれ、電車が通っていた。ホームも残されている

 次回からは基本的に時系列に沿って上田市周辺の真田氏ゆかりの地を紹介していく。

上田城
●所在地:長野県上田市二の丸
●交通アクセス:JR北陸新幹線「上田」駅から徒歩約10分
●櫓入場料:
 大人:250円
 大学・高校生:180円
 中学・小学生:60円

取材協力/上田市観光課、上田観光コンペティション協会

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