昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「文春に情報を出した」DHC新入社員が“濡れ衣”で懲戒解雇 弁護士は「不当解雇にあたる可能性が高い」

「会長の差別発言について意見しましたが…」DHC元新入社員が告発#2

 また、労働者が就業規則の開示を求めたにもかかわらず開示しなかった場合は、労働基準法第106条の就業規則を、『常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない』に違反することになります」

 労働問題に詳しい神奈川総合法律事務所の嶋崎量弁護士は「この場合は不当解雇にあたる可能性が高い」と解説する。

「解雇事由を見た限りの判断にはなってしまいますが、Aさんの解雇事由は懲戒解雇に値するものだとは到底思えません。『無礼且つ粗暴で協調性に欠く言動』や『業務遂行を阻害』などの素行不良について言及されている部分は、具体的な懲戒にあたる事実が示されず、社内での一方的な『評価』で、合理性があるといえるのか疑問です。また、懲戒解雇処分をするには、その重い処分に相当する行為でないと処分が有効にはなりません。新入社員の態度が少し悪かったり、社の方針に異を唱えたりくらいでは、懲戒解雇どころか、より軽微な懲戒処分にすることすら疑問です。

 懲戒解雇は労働者にとっての死刑判決と例えられるように重い処分ですから、会社の方針について異を唱えた人間を排除し、社内に見せつける意味で懲戒という不当なレッテルを張ったのではとも推測できます。仮にまっとうな批判をしても処分されるなら、労働者はまるで『奴隷』扱いで、会社の対応は疑問です」

DHC会長の回答「反日メディアには答えない」

 Aさんは現在、資格の勉強などをしながら、転職先を探す日々を送っている。しかし1月7日には東京都に2度目の緊急事態宣言が発令され、1日の感染者が1000人を超える状況下での転職活動は予想以上に厳しいという。

「長く働きたいと本気で思っていた会社だったから、ステマや人種差別など間違っていることは間違っていると正したかった。ここにいるのが恥ずかしいと思いながら働きたくなかった。でも結果、こんなことになってしまいました。転職先にと考えていた企業からは、懲戒解雇された旨を伝えたら連絡が取れなくなりました。こんな肩書のついた新人をどこの会社が採用したいと思うでしょうか。着手金なしで相談に乗ってくれる弁護士の先生を頼り、会社と闘おうとは思っていますが、途方に暮れる毎日です」

解雇当日にAさんに人事部から送られてきたメール。この後Aさんが電話をするとX氏から「懲戒解雇」と伝えられたという

 DHCに事実関係を確認したところ、人事部から以下の回答があった。

「Aさんの懲戒解雇に関しては、現在係争中なので回答を差し控えます。Aさんが12月まで本配属が決まらなかったのは本人の能力不足と周囲との協調性のなさ等が理由で配属できる基準に達していなかったからであり、就業規則は各事業所で閲覧できる状態なので拒んだわけではありません。また、文春への情報提供に関しては、情報提供者だと判断したわけではなく『提供したのか?』と聞いただけです」

 吉田会長にもインタビュー取材を申し込んだが、吉田氏は「文藝春秋は反日メディアなので取材には答えない」と回答するのみだった。

 1月26日(火)21時~の「文春オンラインTV」では、担当記者が本件を含め、これまでの「DHC問題」について詳しく解説する。

この記事の写真(12枚)

+全表示

文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。

※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー