「NiziU」出国の様子を成田空港で撮影
「NiziU」が成田空港から大韓航空のフライトで出国したのは、1月19日のことだった。取材班は成田空港から出発するメンバーたちの姿を確認した。
12時40分頃、成田空港第1ターミナルの送迎レーンに、メンバーを乗せたバスが到着する。しかし「NiziU」メンバーはバスから降りず、数名のスタッフがトランクを運び出すなど出国の準備をしていた。メンバーは極力外部との接触を抑えるためか、車内で待機。
メンバーがバスを降りたのは、フライトが近づいた14時ごろだった。メンバーのほとんどは黒い帽子にマスク。普段であればあっという間に他の空港利用者に見つかって囲まれていただろうが、この日の成田空港はほとんど無人。がらんとした空港を足早に通り抜け、メンバーたちはあっという間に手荷物検査口から中へと消えていった。
空港関係者が説明する。
「チケットの申請は随分前からされていました。こういう時期ですから、乗客は『NiziU』以外はほとんどおらず空港も機内もガラガラ。見送りの事務所スタッフが数人いて、姿が見えなくなるまで手を振るという“VIP待遇”でした」
渡韓の事実、理由について「NiziU」の所属事務所に問い合わせると、以下の回答があった。
「渡航の目的は業務の事ですのでお答えは控えさせていただきますが、メンバー全員とスタッフでルールに基づいて渡韓しております」
韓国で収録した方が価値が上がる
緊急事態宣言下で渡韓するリスクは両グループの関係者も重々承知のはずだ。吉本関係者の口ぶりからも、その緊張感が窺える。なぜ渡韓は強行されたのか。
「『JO1』や『NiziU』はK-POPの流れをくむグループですから、韓国こそが“本場”です。『MV撮影や楽曲制作は日本でもできる』という声もありますが、韓国に行ったほうがクオリティも高まるし、ブランド価値も上がります。
今回は韓国のスタジオやスタッフを押さえてかなり前から組んでいた予定だったため、キャンセルができなかったようです」(レコード会社関係者)
前述の通り、日本政府は韓国を含む11の国と地域との間で実施していたビジネス関係者らの往来を停止した。この政府方針が決まったのが1月13日、NiziUの出発はその6日後だ。もちろん日本を出国することは可能で、韓国の入国制限をクリアすれば、渡韓すること自体、制度上は何の問題もない。
一方でコロナ感染拡大を防ぐため、現在、演劇や音楽などの公演が惜しまれながらも次々と中止されている。両グループを応援する日韓両国の音楽ファンの中にも、感染抑止のために歯を食いしばって我慢しているという人たちも多いのではないだろうか。