昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

マニュアルに書かれた内容とは……

 まず、女性との距離を近づける方法が解説されていた。目についたのは、「ストックスピール」という言葉。調べてみると、「誰にでも当てはまることを、相手のことをあたかも言い当てたかのように提示する技術」のことで、「コールドリーディング」の一種のようだった。相手の信頼を短時間で得る話術とされていて、詐欺師の手口にもなっているといわれる。

 マニュアルの原文を、一部誤字を修正した上で紹介する。

「例 過去に男関係で、けっこう酷い裏切り方されたことあるんちゃうかな。それもあって、男の人と付き合うのに臆病になってるんちゃうかな」

「例 ○○ちゃんって、しっかりしてるから、周りにだけじゃなくて自分に対しても厳しいとこあるよね」

 広い意味でとらえると、誰にでも心当たりのあることを、さも言い当てているかのように質問を投げかける手法だ。

 例えば2つ目の例文では、「自分に対して厳しい」と指摘されたことに、女性が「自分には甘い」と否定した場合、それ自体が自分に厳しいということにもなる。「ほら、厳しいやん」という流れにもっていき、言い当てたように思わせるのである。

実際にマニュアルに記されていたさまざまな「テクニック」

 マニュアルには、ほかにも例文と解説が記されていて、このテクニックを駆使し、「自分のことをわかってくれている人だ」と女性に思わせる「ヒット」を重ねることで、信用させていくとあった。

©iStock.com

 参考にしながら、何も知らない後輩記者に試してみると、あっさりと「よくわかりましたね」という反応を示した。事情を説明すると怒られてしまったが、時に人を疑うことが仕事の記者でも、容易に引っかかることに驚いた。

 そして、“努力”や“成長”といった耳あたりの良い言葉をちりばめながら、メンバーにとって都合の良い関係を築いていった。

「努力する俺を見ていて」

「『ビジネスにおいて成功するには、お客さんにとってNo.1になることを常に考えて努力しろ』って上司に言われてるねんよ。上司や先輩は俺よりイケメンで能力のある人ばかりいるかもしれないけど、全部の女の子が上司たちにとられるわけじゃない。

 俺を頼ってくれる人も絶対いる。それは、その子の中で俺がNo.1ってことやし、(俺は)No.1であり続けるために努力して頑張り続けるねんよ。そうやって、ひとりひとりのNo.1になっていったら、京都中でトップになれると思うねん。これは恋愛においても言えると俺は思う。要は彼女がいたら、その彼女の中でのNo.1の彼氏になればいいわけだよね。俺はお前の周りにどれだけいろんな男がいても、ただひたすら一生懸命頑張ってお前の中でNo.1であり続けるよう努力するから、ただ見ていてほしいな」

z