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 実は原作マンガでのスミレは、新やみか同様、倉庫勤務に不満を抱く出向組だった。しかしマンガ連載がスタートした2011年より現在のほうが、実社会での働き方が多様化している。コロナ禍でそれまでの職を失った人も多いだろう。そんな厳しい世の中への眼差しが、ドラマ版には組み込まれているのだ。

 当初は立場の違いからギスギスしていた新、みか、スミレだが、「OLD JACK&ROSE」で楽しそうに働く新や、人生経験豊富な熟女たちに感化され、関係が深まっていく。

大人になってからの“女友達”に涙する

 第3話では、スミレとみかが揃って新が働く「OLD JACK&ROSE」にやってくる。いつもよりオシャレをした2人と、店用のドレスを着た新は照れ臭そうに顔を見合わせ、お互いを「〇〇ちゃん」と下の名前で呼び合い始める。みんな愛おしくて、ちょっと涙が出そうになる。大人になってからの友達も良いもんだなと、しみじみ感じてしまう。

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 リアルを生きる40代女性にとって、良かった過去を振り返ったり他者と比べたりすることは不毛だ。しかし大変な日々の中で未来を向くことはそう簡単ではないだろう。そんなときに「その女、ジルバ」では、様々な傷を負い、苦しみを知りつつもキラキラ輝くパワフルな“人生の先輩”である超熟女たちが、「まだまだ若いよ!」「この先も楽しいよ!」と励ましてくれる。

くじらママ(草笛光子・87) (「その女、ジルバ」公式サイトより)

「逃げ恥」でさえ描けなかった普通の“持たざる者”たちの希望。「その女、ジルバ」はドラマ史上でも革命的な存在になりそうだ。