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“オンバト弁慶”だったタイムマシーン3号に聞いてみた 「それでも20年間消えなかった理由は何ですか?」

タイムマシーン3号インタビュー#1

2021/02/03
note

山本 その中で、唯一の正解はお客さんのウケだったんです。「もう四の五の言ってらんねぇよ。じゃあオンエアされるためにはどうすればいいんだ」っていう、もうそれですよね。お客さんにウケる。じゃあ前回ウケたところをやろう。ライブでウケなかった。じゃあそこのところを削っていこう。「自分では面白いと思うんだけど、ウケなかったんだから削っていこう」という発想になっていって。「自分たちのお笑い」をやろうという考えは全然なかったんです。

 それこそ最初の事務所での仕事は、アイドルの運動会のレポーターとか誕生日イベントの司会でしたから。そこで我を出していたら仕事にならないですし。アシスタント業というか、合わせるのが仕事でしたし、意外とそれが嫌なわけでもなかったんですよね。

――『オンバト』、『M-1』、『キングオブコント』…それぞれ求められる能力は違ってくると思うんです。そのすべてで結果を残せたのは、「合わせる力」が大きかったんですね。

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山本 そうかもしれないですね。「『M-1』でウケてるのはどんなネタだ?」「『キングオブコント』でウケるネタは?」って考えていくうちに、自然とバットを短く持つというか、ホームランバッターじゃなくて安打製造機っぽいタイプになっていったんですよね。

ネタ作りはファミレスで、タンドリーチキンを食べながら

――客ウケを狙ったとしても、それでしっかりお客さん笑わせられるのは、なかなかできないことだと思います。ネタはお2人で作られているんですか?

山本 ファミレスで「あーでもない、こーでもない」ってやりながら、2人で作ってます。お互いなんとなくのアイディアは持ち寄って、どんどん2人でボケを足して、展開を作っていく感じですね。作家さんがいれば作家さんを通してやり取りすることもあるのかもしれませんが、それもないので本当に2人っきりですね。

 その分話は早いですよね。お互い、タイムマシーン3号という「像」が出来上がっているので、「我々はこんなのだよね」っていうのが共有できているから。

山本 ただ、まぁ時間はかかりますけどね。できるだけ以前にやったネタとは別なことをやりたいなと思っているので、設定を決めるのに4、5時間かかったりもしますから。

 もちろん空振りの日もあって、タンドリーチキンだけ食べて帰るなんて日もあります。ジョナサンのタンドリーチキンがおいしくて、2年前くらいから大盛りができるようになったんですよ。これ、太字で書いておいてください。

 

山本 お笑い全然関係ないな! 僕が行くと「お連れ様、すでに見えてます」って言われて奥に通されますからね。で、デブが座りながらタンドリーチキン食っているわけですから。あんまり行きたくなくなる(笑)。