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「どの人がどれだけの仕事を抱えているか点数化して、ある一定以上の点数になったらそれ以降仕事を回さないとかできるといいですね」と彼女は提案してくれた。

 できると思われる人、家族関係などで時間を取られることが少ない人、つまり独身、小さな子どもや介護する人がいない人に仕事が集中することは、他の教員からもしばしば聞く話だ。教員に限らずどのような職業でもあることだろうが、教員の場合にはそれが昇給や昇進など待遇や評価の面に必ずしも反映されないという点も問題になる。どの仕事が何点になるか、それを決めるのは大変だろうが、抱えている仕事の可視化のためには一考の余地があるだろう。その点数を教員評価に加味すれば校内での仕事割りもスムーズになるのではないだろうか。

部活動問題

 高校時代に部活動で自分が成長したと感じている大木さんは、部活動を教員ではない外部講師に任せるという昨今の動きには疑問を持っている。仕事の精選は事務仕事に対して行うべきとの考えのようだ。

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 その集団から片足を抜いたとも言うべき彼女の目には教員はどのように映っているのだろうか。「勘違いしている優等生集団。世間と触れ合わないから」と彼女はシビアに答えてくれた。

 現在、職場には20代の若手教員がいるが、彼らに声をかける際には非常に気を遣うという。「若い人たちはガラスのように壊れやすい感じがします。その上、自分から聞こうとはしない。何かに気づいた時、どのように声をかけるか、それを考えることもストレスになります」と、1つ上の世代の悩みを語る。

他の教員の心身の健康に気を配る余裕はない

 教員集団の問題に管理職はどう対応しているのか、尋ねてみた。「管理職は事なかれ主義。それに、管理職も忙しいので、他の教員の心身の健康に気を配る余裕はない。だいたい、管理職試験を無理矢理受けさせられている人も多いし」というのが彼女の答えだった。

 今、もっと勉強しておけばよかった、これから勉強したいことは何かとも聞いてみた。「教科に関する専門的知識。それと、発達障がいや特別支援教育について。これらが教員免許更新や年次の研修で学べるといいのですが」と語った。しかし、非常勤の道を選んだ彼女には、研修の機会はほとんどない。

 取材の最後に、大木さんは筆者に是非伝えたいことがあると言った。「これまでのマスコミの報道が学校を悪くした面もあります。何か起こると教員を叩きすぎて、それに対する対応を教育委員会が出し、学校現場が一層忙しくなる悪循環があります。多くの教員は懸命に仕事に取り組んでいるのです」と、彼女は真剣に訴えた。