昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/02/05

毎日の抗原検査を義務付け

 感染テストに関しては、選手110人、メインスタッフ26人に対して週に3~4回のPCR検査と、毎日の抗原検査(※PCR検査よりも検出率は劣るが簡易に検査ができる)が義務付けられました。また、規定上フルタイムではないコーチングスタッフやサポートスタッフでも、週に2回はPCR検査と抗原検査をしなければなりません。日本ではここまでやっている競技は聞いたことがないので、このあたりの徹底ぶりはすごかったと思います。

 ちなみに、日本での五輪においても、現状では選手のワクチン接種は前提とはならないと報じられています。そうであるならば、こういった恒常的な検査が必要になる。ただ、「医療従事者が1万人必要」といった政府サイドのコメントに反発が大きく出るなど、現実的に医療関係者のリソースをどこまで割けるのかは不透明だと思います。

 スタンフォード大では選手やスタッフ自身が自分の手で行う検査の手法を取っています。

抗原検査。検査官がいて、その人から指示を受けながら、自分で綿棒を鼻に入れて粘液を採取する ©️Tsyuoshi Kawata

 検査場に行くと検査官がいて、その人から指示を受けながら、自分で綿棒を鼻に入れて粘液を採取する。採取したら自分で試験管に入れ、クーラーボックスに入れる。検査官は数m離れた場所から指示するだけで、検査される人間と触れることはないので感染リスクはほぼありません。こういった形式が取れれば、五輪でも医療関係者への負担を減らすこともできるかもしれません。

抗体検査。採取したら自分で試験管に入れ、クーラーボックスに入れる ©️Tsyuoshi Kawata

移動、食事、ホテルの宿泊でも対策を

 試合で遠征をする際にも、ソーシャルディスタンスを取るために各所に気を配りました。フライトは通常1機のところを2機、バスも2倍の10台。ホテルの部屋も普段は相部屋のところをすべて1人部屋にしました。ホテルはフロアを貸切って隔離状態にし、フロア内はPCR検査済みのホテル従業員のみ立ち入れる形式です。食事も全員で取るのではなく、各自で食堂から自室に持っていくスタイルになりました。

 部屋のシーツやタオルの交換も基本的にはナシ。必要な場合はフロントに連絡を取って部屋の前に置いておいてもらう。スタンフォード大は全米中から選手が集まっている大学ですが、仮に試合が実家の近くであっても、もちろん家族や友人とも会うことはできません。とにかく人との接触を減らす努力が求められました。