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「麒麟がくる」でも再燃した“架空キャラ問題” 大河ドラマの創作はなぜ批判されるのか

2021/02/06

 明智光秀(長谷川博己)を主役にした大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK)が2月7日(日)に最終回を迎える。クライマックスは光秀、最大の見せ場〈本能寺の変〉。その最終回に秀吉(佐々木蔵之介)の家臣・黒田官兵衛(濱田岳)も登場すると発表された。官兵衛は本能寺の変のあと秀吉が光秀を追いつめる〈山崎の戦い〉で活躍する。 

 大河ドラマに知っている人物が出てくると「待ってました!」とワクワクする。最終回直前の第43回に森蘭丸(板垣瑞生)が出てきたときも、もう出ないかと思っていたら、出た!とテンションが上がった。そう、大河ドラマとは「待ってました」の娯楽である。

「麒麟がくる」(NHKホームページより)

“歴史ドラマ好き”は架空のキャラが嫌い?

 好きなものは何度でも繰り返し見たい。同じ芝居を見て、名場面が出てくるたび、「待ってました!」と喝采する。演じる俳優や演出によってどこが違うか比べて楽しみたい。最たる例が〈本能寺の変〉である。

 信長に長らく仕えてきた光秀が何を思ったか謀反を起こし、天下統一目前に信長は死ぬ。この衝撃の事件の真相――信長と光秀の間に何が起こったか、実際、信長が死ぬときはどんなふうだったか、そこに妻の帰蝶(濃姫)はいたのか、いないのか、その後、光秀はどうなったか……等々、作品ごとの解釈や創作を楽しむ。大河ドラマではこれまで15作も本能寺の変を扱ってきた(「麒麟」をのぞく)。

 大河ドラマをはじめとした歴史エンターテインメントは、それを見て歴史を学ぶという側面もあるにはあるが、それよりはすでに学んだことの復習と新しい学説をいかに取り入れてアップデートしているか、そこを楽しむ視聴者が多いのである。

 だからこそ「麒麟がくる」ではオリジナルキャラ・駒(門脇麦)が歴史ドラマ好き視聴者の厳しい視線の矢面に立たされた。

「麒麟がくる」で駒を演じた門脇麦 ©AFLO

 駒は戦災孤児で、光秀の父に助けられる。彼女は麒麟という架空の動物が平和な世の中に現れるという伝説を信じていて、それが光秀の人生に影響を与える。

 育ての親のような医者の東庵(堺正章)と旅芸人の伊呂波太夫(尾野真千子)は各々の職業を生かし、戦国の世をかいくぐり、あちこち出入りし、身分の高い人達とも交流できる万能キャラ。駒は彼らの人脈を受け継ぐように、秀吉、家康(風間俊介)、商人の今井宗久(陣内孝則)、将軍・足利義昭(滝藤賢一)等々、重要人物と関わっていく。