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「目に見えてタイヤがぺちゃんこに」

 最後に、スタンドに設置されているさまざまな備品をめぐる失敗やトラブルを見てみたい。

 まずはタイヤの空気圧を調整するエアチェッカーだ。

「店によって置いてあるタイプが違うんで、使い方がわからなくて空気圧をどんどん減らしていっちゃうお客さんなんかもいます。目に見えてタイヤがぺちゃんこになってたり。もちろんなるべく声はかけますが、そのまま高速とか乗っちゃうと最悪バーストの危険もありますし、操作がわからない時には遠慮せず聞いてほしいと思います」

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 車の部品で唯一地面に触れているタイヤは、乗員の安全に直結する。冬場などは放っておくと大幅に圧が下がっていることもあるので、自身でチェックする習慣をつけておくことは重要だ。わからなければ、素直にスタッフに聞くことも運転手の義務なのだろう。

©iStock.com

 洗車機まわりの備品も、使い方が明示されていないため、奔放な行動を呼び起こしやすい。

「洗車スペースの備品の使い方には結構個性が出ます。ウチは洗車機の手前に、ホイールを洗うためのホースとブラシを置いてるんですけど、それで結構な時間をかけてボディまで洗ってたり。あとは拭き上げスペースの掃除機ですかね。車内のマットを一旦全部出すのはいいんですけど、パンパン叩くのはなるべく遠慮してほしいと思います」

何よりも大切な「周りへの配慮」

 当然、ここに挙げたようなケースはごく一部なのだろう。スタッフに聞いても、ほとんどの客は何も問題なく利用できているという話だった。

 けれどもやはり、常識の範囲は人によって異なり、また人為的なミスや不注意の可能性は常に存在するため、設備の使い方をめぐるトラブルを完全に防ぐことは難しい。

「誰でも使える」と思われがちなセルフ式スタンドだが、周りの目に焦ることなく、しかし共同のスペースであることにも配慮するというバランス感覚は、案外「当たり前」のものでもないのかもしれない。