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野球初心者の私がプロ野球にどっぷりハマった理由はマー君だった

文春野球コラム ウィンターリーグ2021

2021/02/07

 田中将大投手の日本球界、楽天イーグルス復帰!

 この速報をきいた時、日本中が沸いた。東北のファンを中心に、飛び跳ねて歓喜した方も多いのではないでしょうか。

 実は私もその1人!!

 私にとって田中投手は、本当に大きな大きな存在なのです。報道から数日経ち、少し気持ちが落ち着いてきたところで、恐縮ながら私の話をさせてください。

©文藝春秋

田中投手がいたからこそ、今の私がある

 現在私は野球関連のお仕事をさせていただくことが多いのですが、田中投手がいたからこそ、今の私があるといっても過言ではないのです!

 というのも、私は2013年にご縁があり仙台の放送局にアナウンサーとして就職しました。実はそれまでプロ野球というものに全く興味がなく、「右中間にボールが落ちました」という実況を聴き、「なんで宇宙なの?」と同期のアナウンサーに尋ねるほどのレベル(笑)。しかし、研修も兼ねて会社の方に連れていっていただいたホーム開幕戦でイーグルスが8-2で勝利。開幕戦に登板していた田中投手の力投、当時のKスタの雰囲気、勝利の白い風船が揚がる光景、一気にプロ野球に魅せられました。

 そして、ラッキーなことに、会社から「仙台で仕事をする上では楽天イーグルスは必ずついてくるから、いつでも勉強のために試合を観に行っていいよ」と1年間使える取材パスをいただいたのです!

 そこから、またあの興奮を味わいたい!と職権濫用……いえいえ、勉強のために足繁く球場に通い、記者席でスコアの付け方を覚えながら観ていました。ホーム約70試合のうち40試合以上、特に田中投手が投げる日は、ほぼ必ず行っていました。やはり、この2013年は田中投手率いるイーグルスは本当に強かったため、もうここからどっぷりハマっていったのです。

©袴田彩会

 そして迎えた、9月26日。初のリーグ優勝。11月3日、日本一。あの感動は、どう言葉にしていいか分からない程のもので、思い出すと鳥肌がたち、涙が出るほど。この年に見始めた私でもそうなのですから、球団創設から応援しているファンの方々はもう破裂してしまうほどの感動だったのではないでしょうか。

 ありがたいことに職権濫用……いえ勉強の甲斐あり、祝勝会、いわゆるビールかけのリポートを担当させてもらいました! 私にとっては入社してから一番の大仕事なので緊張していましたが、選手たちの嬉しそうな姿、いつもはいるだけで空気がピリッとする星野監督も「今日はなんでもやれ」と選手にビールをかけられてずぶ濡れ。そんな様子を見ていたら、緊張どころか、私も共にものすごく楽しんでいました。本当に最高の瞬間でした。ビールかけに慣れている球団はサクッと30分弱で終わるそうですが、楽天は慣れておらず、球団もビールを用意しすぎて50分ほどビールかけ……終わった後はやはり酔っ払っていました(笑)。

 この経験は私の人生の中でも一番といえる経験で、この経験があったから、その後ベンチリポーターやヒーローインタビューを担当させてもらうことができ、現在の仕事にも繋がっています。

 いってしまえば、入社したのが2013年じゃなかったら、田中投手の24連勝がなかったら、ここまでプロ野球を好きになっていなかったかもしれませんし、今現在、野球のお仕事をしているかも分かりません。この経験をさせてくれた田中投手には、感謝してもしきれないのです。