ことごとく説明をせずに裏で一人で決断する「菅流」
就任3カ月を振り返った「首相説明不足の3カ月」(毎日新聞2020年12月16日)では、Go To停止にしろ学術会議問題にしろ、ことごとく説明をせずに裏で一人で決断する「菅流」について書かれていた。
読売新聞も就任から3カ月を振り返り「『首相主導』に死角」(12月16日)と官邸内に調整役不在であることを指摘。
「首相に直言できる人が周りにいないのが問題だ」(自民党の閣僚経験者)
「首相が全て自分で差配しようとする」(首相周辺)
その一方こんな記述もあった。官房長官時代と違って「圧倒的に情報が入らなくなった」と菅首相が閣僚の一人にこぼしたという。この読売を頭に入れて翌日の朝日を読んで欲しい。
《政権幹部は「首相に情報が入っていないことに注目している人は多い」と、首相の「孤立ぶり」を危ぶむ。》(朝日12月17日)
官房長官時代と比べると首相には情報が入ってこないという。でも一人で決めてしまう。またしても危うい空気が漂ってきた。周囲は何か進言したほうが良いのでは?
すると、
《人事による霞が関の統制を主導してきた菅氏には、官僚からも「不興を買えば飛ばされる」と萎縮する声が上がる。》(朝日・同)
ああ、今までのおこないがすべて……。こうなると惨劇が起きる。
ニコ生で「こんにちは、ガースーです」と言ってスベったことを思い出してほしい。あれは首相のアドリブで同行の首相秘書官たちも驚いた表情だったという(東京新聞12月15日)。
つまり菅首相が一人で決めて実行した「例」なのである。そしてスベった。「自助」だけではキツいことが証明されてしまった。いま、官邸はこんな状況になっている。
勝負師でブレないと言われた菅首相だが、実は負けの込んだギャンブラーで決断の際には周囲の話を聞かない頑固さが浮かぶ。
そんな人がやる「賭け」が今後もコロナ対策として続けられるのだ。丁寧な説明なしに。
「仮定のことは考えないですね」
1月8日に『報道ステーション』に出演した際は、緊急事態宣言を1カ月やってみて効果がなければ対象拡大や延長は考えられるのか? という質問に対して「仮定のことは考えないですね」と言っていた。ギョッとするが「負けることは考えないですね」と変換してみるとわかりやすい。
そういえば菅さんはカジノ招致に熱心だった! まずい、まずい!
東京五輪にも賭けているなぁ。
菅首相のギャンブル依存を誰か止めて!
(敬称略)
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あれほど「既得権益を打破しなければならない」「税金を投入するに値するのか」と語ってきた菅氏だったが、なぜ自身の長男に同じ言葉がブーメランとして直撃してしまったのか。この記事の続きは「文藝春秋 電子版」で公開中です。
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