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契約者は「ゆるキャラ」「半ボケ」…日本郵政が高齢者をカモにする“不正契約”に手を染めた理由

『国富215兆円クライシス 金融老年学の基本から学ぶ、認知症からあなたと家族の財産を守る方法』より

2021/02/26

ピーク時の半分程度にまで落ち込んだ日本郵政の株価

 現代においては、一部の不正事例であっても、SNSなどを通して拡散されることで「炎上」することもありますし、新聞などの報道もネットニュースとして転載を繰り返されることで、長く企業のイメージを傷つけることになります。

 実際に、こうした問題により、日本郵政の株価は、一時、ピーク時の半分程度にまで落ち込むなど、企業としての評価を大きく下げました。今回の件で、日本郵政グループが、失ってしまった評価を取り戻すには相当の時間がかかるとみられます。

 もともと国営企業であった日本郵政グループにおいても全国的にこのようなトラブルを引き起こしてしまっていることを考えると、今後、一般的な企業においても、一層高齢者や認知症の人との契約におけるトラブル対策について意識を改めていかなければならないと考えられます。

認知症を見て見ぬふりをしない

 ここまで、かんぽ生命の不適切販売問題およびそれに対する第三者委員会の報告書を見てきました。

©iStock.com

 このように、企業と高齢者との契約においては、認知症や判断能力の低下を原因とした様々なトラブルが生じていることがわかります。認知症の人が契約の当事者ではない場合、例えば、連帯保証人が契約時に認知症だったことで無効になった判例などもあり、企業は契約において関係者全員の認知症のリスクを十分に把握しておく必要があります。

 そして、これから高齢化がますます進み認知症の人も増えていく中で、適切な予防策がとられないと、このようなトラブルがどんどん増えていく危険があります。そのため、企業はこれまでとっていた対策以上の取組を進めていく必要がある時代になってきているといえます。

 では、具体的に、どのような対策が求められているのでしょうか。