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2021/02/14

 ところで松潤と家康の共通点を考えるとき、どうにも浮かんでくるのが、山田芳裕氏の漫画『へうげもの』の徳川家康である。『へうげもの』の主人公は織田信長、豊臣秀吉に仕えた文化・芸術を愛でる数寄者・古田織部だが、この作品の家康はなんとも味わい深い。

『へうげもの』の登場人物たちは、近年の研究を取り入れて性格などが設定されていて、家康もずる賢いタヌキ親父というよりは、クソがつくほど真面目で仁義に熱い、愛らしい人なのである。『どうする家康』の発表があった後に読み返すと、なんだか家康が松潤に見えてくる。

徳川家康 「へうげもの」12巻より

 例えば、安土城で織田信長に接見した家康が、足袋が擦り切れていることを咎められる場面。家康は、真っすぐこう返す。

「我らの暮らしが民百姓の血と汗で支えられている限り 一切の贅沢は許されぬものと心得ております それが武人の正しい姿かと」(2巻)

 茶の湯や詫び寂びに疎い無粋な面もあるが、質素を重んじ、人との約束事や仁義を重んじる。セリフもいかにも松潤に似合いそうだ。

Johnny's netより

松潤の脱糞シーンはどう描かれるか

『どうする家康』に個人的に楽しみにしていることはまだある。2010年に三井記念美術館で開催された『江戸を開いた天下人 徳川家康の遺愛品』で知った、家康の「理系男子」の側面だ。「駿河活版印字」という当時ハイテク技術だった印刷設備や、洋時計、海図にメガネ、日本初の鉛筆などが展示され、質素で真面目一辺倒に見える家康が、実は様々な科学技術に興味を持っていたと紹介されている。嵐のライブ演出に最先端の技術を次々に導入してきた松潤、を重ねるのは無理があるだろうか。

 おまけに、家康は「健康オタク」として知られており、当時としては異例とも言える75歳まで生きた。松潤も周囲の人の体調を気遣って常に漢方薬を持ち歩いており、メンバーからは「松潤薬局」と呼ばれていた。地方に行くときに、グルテンフリーの麺を家から持参したこともある。

 家康といえば三方ヶ原の戦いで武田信玄に敗れ、敗走中に恐怖のあまり脱糞したというエピソードも有名だ。こうしたビビりな面を古沢脚本はどう描き、松潤はどう演じるのだろうか。

嵐メンバー ©JMPA

 考えれば考えるほど重なってくる「松潤=家康」だが、古沢良太氏はいわゆる「あて書き(演じる俳優の特徴に合わせて人物を描く手法)をしない」と公言している脚本家である。

 数々の妄想も飛び越えて、想像もつかない新しい「松潤家康」を見せてくれることだろう。

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