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ヘンリー王子夫妻の決断に理解を示す声も

 しかし2人の決断に理解を示す声も多く聞かれた。黒人の女性2人組はこう語る。

「メーガン妃のせいだ、彼女に責任があるという声をよく聞くけど、ヘンリー王子のことを過小評価しています。王子はもう大人だし、これは彼がずっと望んできたことだと思います。みんな2人に構わないで少し時間を与えるべきじゃないかしら」

 またインド・パキスタン系の男性も2人の決断を支持していた。

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「メーガン妃にとってかなり抑圧的な状況だったので、こうした行動をとる理由は理解できます。2人のことを知っているわけではないけど、2人の発言に偽りはないように思う。もしかしたら王室の厳格さが時代遅れだということを示しているのかもしれない」

 しかしその10日後、エリザベス女王の下した決断は厳しいものだった。

 王室の発表によると、ヘンリー王子とメーガン妃は2020年の春以降に「殿下」「妃殿下」の称号を返上したうえで、一切の王室の公務から退くことになった。これにはヘンリー王子がこだわっていた軍関連の公務も含まれる。夫妻はエリザベス女王の正式な代理を務めることができなくなり、公務と引き換えに受けていた公的資金も受け取れなくなった。ただし女王の配慮により、個人的に支援する慈善団体などとの関係だけは今後も認められた。

 また2人は今後もウィンザーのフロッグモア・コテージをイギリスの家として維持し続けるものの、王室助成金から支出された改修費240万ポンド(約3億6000万円)は返済する意向を示したという。マスコミからの高額だという批判に配慮した形だ。

©iStock.com

 北米とイギリスを行き来し、経済的に独立しながら公務を続けたいとしていた2人だが、女王がこれを真っ向から否定した形となった。BBCの王室担当記者が「これ以上きっぱりとした区切りの付け方は考えにくい」と述べたほどだった。

 女王はこの厳しい決断に至った理由を自ら語っていない。

王室の将来を考えての決断

 しかし主要な王族から退いたあとの2人については様々な憶測が流れていた。「経済的に独立」するため、例えばメーガン妃が女優に復帰することや、ネットフリックスと独占契約して映画を製作すること、あるいは自分たちの爵位を使った「サセックス・ロイヤル」ブランドを商標登録し、衣類や書籍、教育関連サービスなどのビジネスに乗り出すなどの可能性が指摘されていた。

 その後、ヘンリー王子夫妻は「ロイヤル」の称号を使わないことを明らかにし、「サセックス・ロイヤル」の商標登録申請も取り下げた。ロイヤルファミリーとしての地位を利用したこうした展開への批判に配慮したものだろう。

 蟻の一穴という言葉があるように、どんな強固な組織であったとしても、小さな穴が原因で全体が崩壊するものだ。セレブ気取り、浪費ぶりが目についていたメーガン妃の振る舞いは、エリザベス女王が長年苦心して築き上げたイギリス王室にとって「蟻の一穴」となる可能性は大いにあった。女王は王室の将来を考え、2人を切り離すと決めたのではないだろうか。