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「いまは若者がファッション感覚でタトゥーを入れる。その人気のおかげで彫師は結構な忙しさだ。祭りで神輿を担ぐ際に格好良く見せたいという素人さんもいて、和彫りも人気があるらしい」(同前)

 近年、行政や企業、一般社会でのコンプライアンス(法令順守、モラル順守)の強化などによって暴力団などの反社会的勢力の排除が進められる。温泉やサウナなどの施設では、「暴力団員はお断り」の注意書きとともに「刺青のある方は入浴不可」と書かれた看板もよく見かける。それでも、刺青は一般人にも広がりつつある。

「最後まで入れたかったが、カネがなくて」

 長年にわたり暴力団を相手にした捜査を続けてきた警察当局のベテラン刑事は、刺青について「体には負担が大きい」と指摘する。

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「刺青を入れると皮膚の機能が大きく低下し、内臓に負担がかかるとされる。ただでさえ、親分クラスになると毎晩、朝まで酒を飲んだりと病気がち。だから、事件を起こして刑務所に入ることで健康を取り戻す、というパターンの暴力団員も多い」

(写真はイメージ)©️iStock.com

 暴力団犯罪の捜査を指揮してきた警察幹部OBが体験を語る。

「かなり前のことだが、あるヤクザを逮捕したら背中の刺青が未完成だった。それで聞いてみたら、『最後まで入れたかったが、カネがなくて』と言い訳していた。恐らく痛みに耐えられなかったのではないか。『刺青を入れる時の激痛に耐えてこそヤクザ』と公言する者もいたが、そういうことだろう」

 体への負担から健康を害する可能性もある刺青。それでも、刺青にこだわりを持つ暴力団員は多いのが実情だ。