2月23日、天皇陛下は61歳の誕生日を迎えられた。朝10時頃、祝賀行事のため皇居へ向かわれる天皇皇后両陛下のお姿を半蔵門で拝見した。マスク越しではあったが、両陛下ともに穏やかで晴れやかなご表情を浮かべられているようだった。
雅子さまはスモーキーブルーのドレスをお召しになっていて、車中にいらしても胸元のモール刺繍のようなデザインが目を引いた。昨年の「講書始の儀」でお召しになっていたベルベット風のローブ・モンタントだ。雅子さまは御髪を美しくアップヘアにセットされ、陛下の誕生日をお祝いされる思いが伝わってくるようだった。
「できる限り雅子の力になり、支えていきたいと思っています」
「雅子は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による活動への制約などから、体調を整えにくくなっている面はありますが、種々の工夫や努力を重ねながら、幸いにして、昨年も諸行事や諸儀式を滞りなく務めることができました。特に、昨年の5月から6月にかけては初めての養蚕に取り組んだほか、11月には立皇嗣宣明の儀・朝見の儀を無事に終え、また、新年のビデオメッセージでは、一緒に国民の皆さんにご挨拶ができたことを良かったと思っております」
「雅子は私の日々の活動を支えてくれる大切な存在であるとともに、公私にわたり良き相談相手となってくれております。私も、今後ともできる限り雅子の力になり、支えていきたいと思っています」
陛下は誕生日を前にした記者会見で、雅子さまのご活動やご体調について、このように述べられた。誕生日に際して公開されたご近影で、陛下は明るいブルーのセーターをお召しになり、雅子さまは柔らかなラベンダーのスーツに、トップスのご定番ともいえるボウタイブラウスを合わせられていた。落ち着きや安心感を与える装いを心がけていらっしゃるのだろうかと思った。
令和の皇室を取り巻く環境は、この1年で大きく変わった。陛下は新年ビデオメッセージで「即位以来、私たちは、皆さんと広く接することを願ってきました。新型コロナウイルス感染症が収まり、再び皆さんと直接お会いできる日を心待ちにしています」と述べられたが、今年の誕生日会見でも、「この1年は、コロナ禍に翻弄されてきました」とおっしゃった。陛下の前には透明なパーテーションが設置され、集まった記者たちとは十分に距離をとったうえで、陛下はお顔が見えるようにマスクをつけることなくお答えを述べられていた。外出をともなう公務は最小限にとどまり、両陛下はオンラインを活用したご進講や会合に臨まれている。