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「オンラインでの交流の可能性」について熱心に語られた天皇陛下

 会見でも陛下は、「オンライン訪問には、感染症対策としての利点以外にも、同時に複数の場所にいる人々に会うことや、中山間地域など通常では訪問が難しい場所でも訪問できるという利点があることを実感いたしました」と「オンラインでの交流の可能性」について熱心に語られた。治療を継続されている雅子さまにとってもオンラインでのご交流などであれば、ご出席のハードルが低くなるという面もあるのではないだろうか。

 両陛下が人々と広く接することが叶わないような状況においても、心に残る出来事があった。2月12日、天皇陛下と雅子さまはお住まいの赤坂御所で、国連「水と衛生に関する諮問委員会」の終了5周年を記念したオンライン会合に出席された。

国連「水と衛生に関する諮問委員会(UNSGAB)」満了5周年記念オンライン会合に臨席された天皇皇后両陛下 宮内庁提供

 陛下は「水」問題をライフワークとされていて、皇太子時代の2007年~2015年に同委員会の名誉総裁も務められている。会合は非公開で行われ、陛下と同じ時期に議長を務めたオランダのウィレム・アレキサンダー国王や元委員らが出席したという。

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アレキサンダー国王と画面越しに顔を合わせられ、心なしか表情が和らいだように見える天皇陛下と雅子さま 宮内庁提供

オランダのアレキサンダー国王と対面された雅子さまの“ご様子”

 オンラインでアレキサンダー国王と対面された雅子さまのご様子を拝見していて、マスク越しに柔らかな笑顔が伝わってくるようだった。2019年10月、アレキサンダー国王とマキシマ王妃は「即位礼正殿の儀」に参列し、翌日に両陛下が即位の礼に際して外国王族をお招きする茶会にも出席していた。

天皇皇后両陛下とオランダのアレキサンダー国王夫妻 宮内庁提供
宮内庁提供

 マキシマ王妃といえば、長期療養中である雅子さまの“ご回復”のきっかけを作った人物として知られる。2013年春、両陛下はオランダ国王の即位式へ出席された。ご体調に不安を抱えられていた雅子さまの出席を後押ししたのは、民間出身で元銀行員のマキシマ王妃(当時は皇太子妃)からの直接の電話だったと言われる。このオランダ訪問と即位式へのご出席が、雅子さまにとって大きな自信につながったと解釈している関係者は多い。