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女性の訴えを無視し続けていた校長

「そうした世間の感覚を率先して取り入れ、実践すべきなのが教育現場です。でも、実際にはハラスメントが今も横行し、周囲も見て見ぬふりが大半です。Aさんの訴えを受けた校長も『AさんはB教諭に仕事上でいろいろと面倒を見てもらっている関係だったのだから』と女性の訴えを無視し続けていました」(同前)

※写真はイメージ ©iStock.com

 結局、Aさんは「職場内ではらちが明かない」と校長に見切りをつけ、教育委員会に駆け込むことになった。何度も繰り返されるセクハラやマタハラと、それを訴えても一向に見向きもしない管理職に業を煮やしたのだろう。

 県教育委員会の調査に対し、Bは自らの行為を認めたうえで「ハラスメントに対する認識が甘かった。Aさんとは関係が十分に築けていると思ったが、距離感を見誤ってしまった」と述べたという。

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兵庫県教育委員会のHPより

 県教育委員会は問題を無視し続けた校長にも懲戒処分を下したが、「戒告という軽い処分でした。管理職による無視は、一緒になってハラスメントをしているのと同程度の問題だと思うのですが……」と前述の学校関係者が嘆く。

 Bは処分を受ければ1カ月後に復帰する。校長は今も校長であり続けている。旧態依然の風潮が残る限り、幼稚なハラスメントはなくならないのではないだろうか。