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修学旅行では、宿泊先のホテルでAさんの部屋に入って…

「それだけにとどまらなかった」と教育委員会関係者は言う。

「『おなかは元に戻ったのか』と言いながらAさんのおなかを触るセクハラ行為も度々。昨年秋の修学旅行では、宿泊先のホテルでBはAさんの部屋に入ってAさんをベッドに寝かせ、指圧用ローラーをその足の上で転がすようなことまでしていました。彼女が教育委員会に駆け込んで相談したのは、その直後でした。よほど耐えかねたのでしょう」

※写真はイメージ ©iStock.com

 開いた口が塞がらないのは、Bのハラスメントだけでなく上司の対応もだ。学校関係者が明かす。

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「実はAさんは、それまでも校長に『ハラスメントを受けている』と相談していました。Bにされた行為の時期や内容まで説明したそうです。でも校長は何の対応も取りませんでした。面倒に思ったか、そもそも彼女の受けた行為がハラスメントに該当するという認識すら持てなかったか。いずれにしても管理職としてあるまじきことです」

 ハラスメントに対する意識は近年、大きく変わり続けている。セクハラで広く認知されるようになったハラスメントはその後、地位や立場を利用して不当な圧力をかける「パワハラ」に広がり、妊娠や出産などに関する「マタハラ」、飲酒や飲み会参加を無理強いする「アルハラ」などの行為も含むようになった。かつて「我慢して当たり前」だった事柄は、声を上げて訴えるべき被害との認識も少しずつ広がっている。