わいせつ行為を「事件化させない」意図
そしてAさんがエモーショナルファクトと結んだのが、問題の「採寸に関する覚書」である。
絶対匿名を条件に前出の関係者とは別の事務所関係者B氏が明かす。
「実は、エモーショナルファクトがタレントと契約する際には、7ページほどの専属マネジメント契約書とは別に、特別に『採寸』に関して定めた『覚書』に署名捺印させているのです。それがこの『採寸に関する覚書』です。その内容はあたかも先日のX氏の事件を正当化するようなものでした。
つまり、タレントに密室で採寸と称して裸にさせ、直接触ったり、写真を撮っても、強制わいせつやセクハラにあたらない、後々、事件になったりしないようにしようという意図に溢れている覚書なのです」
採寸を理由に「脱衣」や「身体接触」を認めさせる文言
この「覚書」を検証するとその内容の「卑劣さ」が浮かびあがってくる。以下は同覚書の抜粋だ。
《採寸に関する覚書
株式会社エモーショナルファクト(以下「甲」という)と____(以下「乙」という)は、乙の全身または体の一部等の採寸および採寸時の撮影にあたり、以下のとおり合意したので、採寸に関する覚書(以下「本覚書」という)を締結します。
第1条(採寸撮影合意)
乙は、甲の営業及び乙自身の衣装製作等に利用する目的で、甲及び甲が提携する業者等(以下「甲の担当者」)が乙の全身または体の一部等の採寸をすることにつき合意します。また、甲が採寸補助資料の作成のために採寸実施時に必要最低限の写真撮影を行う場合があることにつき、予め合意します。(採寸と撮影をまとめ、以下「採寸等」という)
第2条(採寸実施条件)
乙甲は、採寸等実施につき、以下同意します。
1. 採寸等の実施は事前予告なく、甲の指示の下、急遽実施される場合があること
2. 本件採寸実施にあたり、甲の担当者が衣類および身体等に接触すること
3. 甲は、採寸等実施が第三者の目に触れぬよう、十分に配慮された場所で行うこと
4. 乙の脱衣を伴う場合があること
5. 乙に関する採寸等を実施した結果得られた情報(以下「採寸データ」という)は甲の責任において管理すること
(中略)
以上合意したことを証するため、以下甲乙記名押印します。》(※太字は編集部による)
「こんな覚書などありえない」と憤りを露わにするのは、未成年のジュニアアイドルのマネジメントを手掛ける別の芸能プロダクションの社長だ。